緊急事態宣言の延長にあたり、東京都が条件付きでイベント開催を可としながら映画館などへ休業要請を継続していることについて萩生田光一文科相は12日の衆院文部科学委員会で、「科学的根拠ではない」「何らかの支援をしていかなければならない」と答えました。日本共産党の畑野君枝議員への答弁。

 畑野氏は、文化芸術に携わる有志でつくる「WeNeedCulture」が政党や省庁に「科学的根拠のない休業要請や時短要請、客席減の要請などの働きかけをしないでほしい」ことなどを求めた要請項目を示し、「映画館は、感染防止の努力をしてクラスターも出ていない。休業要請をするなら科学的な根拠を」と追及しました。

 萩生田文科相は3度目となる今回の緊急事態宣言について、「科学的根拠ではなく、人流を抑えるという東京都と話しあいのなかで協力をした」と発言。宣言延長に際し、条件付きで演劇など他の文化活動を認めながら映画館の営業を認めないというのは、「私も説明しろと言われてもできない」と明言し、「何らかの支援をしていかなければならない」と答えました。

 畑野氏は、科学的な根拠がないとの答弁を受け、「十分な支援をしっかりやっていただきたい」と重ねて求めました。

(しんぶん赤旗2021年5月14日付)

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【議事録】

○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 学生への支援について、まず最初に伺います。
 困窮学生への支援について、三月二十四日の当委員会で、萩生田光一文部科学大臣は、新年度になって昨年度と同じような状況が引き続くのだとすれば何らかの支援策が必要だという前提で今アンケートやウォッチをしていると御答弁されました。
 私も、学費のない社会を目指す神奈川学生プロジェクト、通称Releaseからお話を伺ってまいりました。要望は五点です。
 一つは、二〇二〇年度分の学費について一部でも学生への返還を行うこと。二〇二一年に行ったアンケートによると、四八・八%の学生が二〇二〇年度の大学施設費の返還を、三六%が二〇二〇年度の学費の返還を求めているということです。
 二つ目に、学費の軽減を行う。二〇二一年のアンケートでは、学費の無償化が四三%、二〇二〇年のアンケートでは、学費が高いので減らしてほしいが六三・六%、学費を半額以上減らしてほしいが七七・三%として、六四・八%の学生が、今の政治に期待することとして、学費の削減に取り組んでほしいと回答しているということです。
 三つ目は、十万円の定額給付金再支給を行う。二〇二一年のアンケートでは四五・三%の学生が定額給付金十万円の再支給を求めている。
 四つ目に、学生支援緊急給付金の拡充、継続を行う。二〇二〇年のアンケートでは四二・六%に及んでいる。
 五つ目に、奨学金返済の負担軽減と給付制奨学金の拡充を行う。二〇二一年のアンケートでは、奨学金の返済に不安があるが三九・五%、そして、三八・四%の学生が給付制奨学金の拡充を求めているということでございました。
 このアンケートは、二〇二〇年は六月十五日から十月四日まで行われて、私立大学の学生が四十八人、全体の七二・七%、国公立大学が十八人、二七・三%だったのですが、横浜国立大学や東海大学など十三の大学、短大、専門学校の学生が答えられているんですが、二〇二一年は三月十八日から五月六日時点で、中間結果ということですが、私立大学は七十四人、八六%、国公立大学は八人、九・三%と人数も増えているし、私立大学でそういう声が増えているという状況が見て取れると思います。
 そして、三度目の緊急事態宣言が、東京など、今日から五月三十一日まで延長されるという状況になっております。伺いますと、やはりバイトが見つからないという学生が多い。それから、ある私立大学の一年生は、食料支援に来られて、実家からの仕送りはゼロだ、これからバイトを探さなくてはいけないんだけれどもどうしようかという声を寄せているというふうに聞いています。日々の食費にも事欠く状況が深刻化しています。
 萩生田大臣は、このような学生の状況をどのように認識しておられますでしょうか。そして、要望が学生から来ておりますけれども、支援策を本当に本格的に検討する必要があると思いますが、いかがですか。
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症の影響も含め、経済的に困難な学生が進学、修学を諦めることがないようにしっかりと支えていくことが何より重要であると考えています。
 コロナ禍における学生への支援状況や修学の状況については、昨年度から累次にわたり調査を行ってまいりました。令和二年十二月時点で、中途退学者数は令和元年度よりやや少なく、休学者についても大きな変化は見られない状況でした。現在、年度末時点の状況について追加の調査を実施し、集計を行っております。
 加えて、本年一月の緊急事態宣言以降のコロナの影響を把握するため、令和三年三月時点における学生生活の実態について、経済状況やアルバイト従事状況を含めた内容を学生に直接調査し、現在、分析の作業などを行っています。
 文科省としては、経済的に困難な学生に対しては、高等教育の修学支援新制度や貸与型の奨学金において、家計が急変した学生も含めて随時支援を行うとともに、各大学が独自に行う授業料等減免についても支援を行っており、こうした取組は今年度も継続して行ってまいります。
 さらに、アルバイト収入が減少した学生等に対しては、厚労省の新型コロナウイルス対応休業支援金・給付金で、学生アルバイトの休業も支援対象となっております。
 加えて、学生支援機構の緊急特別無利子貸与型奨学金、これは前年度で終わりということを報告したんですけれども、御指摘のように、幾つかの地域では緊急事態宣言が更に続いて、おっしゃるように、新学期が始まって、アルバイトが見つからないという学生さんがいらっしゃると思うので、まずは三か月分の奨学金の一括貸与、無利息というものを、四月からまた引き続き、新たに予算を組ませていただきました。
 それから、学生支援機構の寄附金を活用した食と住の支援というのも始めまして、これは非常に評判よく、既に手挙げ方式でやっておりまして、これも応援をさせていただいております。
 PCR検査を行っている学校、また、今度、抗体検査を各大学でもやっていこうということなので、こういったことを通じて学生の皆さんをしっかり守っていきたいと思います。
 いずれにしましても、支援を着実に実施することにより、学生が進学、修学を断念することがないようにしっかり支援をしてまいりたいと思います。
○畑野委員 大臣にいろいろと具体的に御答弁いただきました。
 雇調金や休業支援金なんですけれども、これはアルバイトが継続している場合でないと駄目なんですよね。だけれども、今、新年度になって、雇用の維持がされずに解雇されているという話がたくさん出ているんです。こういうときには申請の対象にならないわけですから、学生支援緊急給付金をもう一回出してほしいという声、これを是非検討していただきたい。
 それから、食料支援などについても、もう本当に、全国、いろいろな諸団体の皆さんがやっていらっしゃいますし、日本民主青年同盟の方からも聞いているんですけれども、これも大学が手を挙げればということだと思います。JASSOのもの、そしてそこに国が支援するということなんですけれども、これでは大学がやってくれないといけないということにもなりますので。
 是非、学生支援緊急給付金の再給付、そして学費減免、給付型奨学金の拡充、これは検討されていると思うんですけれども、早くこの見直しもしていただきたいということを求めます。
 さて、次に、文化芸術の問題について伺います。
 四月二十五日からの緊急事態宣言に先立って、四月二十三日に、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長名の事務連絡が出ました。先ほども議論になりました。
 その中で、緊急事態宣言の対象となる特定都道府県の催物の開催制限の目安として、「社会生活の維持に必要なものを除き、原則として、法第二十四条第九項に基づき、無観客での開催を要請すること。」が示されました。つまり、劇場、観覧場、演芸場等は無観客での開催、映画館は休業を要請する対象とされました。映画や演劇など文化芸術に携わる皆さんは、自分たちの取組が社会生活の維持に必要なものと政府から認められていないということに大変傷つかれたわけです。
 五月の六日、ウィー・ニード・カルチャーの皆さんが、四つの要請を持ってこられました。一つは、持続化給付金の再支給、二つは、全ての文化芸術団体、フリーランスを含む個人への使途を問わない特別給付金の支給、三つは、緊急事態宣言下で、科学的根拠のない休業要請や時短要請、客席減の要請などの働きかけをしないでほしい、四つ目に、事業規模に応じた協力金を求めたわけです。そして、その後、官邸前でサイレントスタンディングを行いました。掲げられたプラカードには、「#文化芸術は生きるために必要だ」と書かれていました。
 萩生田大臣は、文化芸術は生きるために不可欠なものだという御認識はありますでしょうか。こうした御要望に応えた支援策を検討するべきではないかと思いますが、いかがですか。
○萩生田国務大臣 文化芸術は、人々が心豊かに生きていくために必要不可欠なものであり、活動自粛に伴い厳しい状況にある文化芸術関係者に対する支援を行うことは大変重要であると認識しております。
 文化庁においては、文化芸術活動の再開、継続、発展を支援するため、令和二年度の第三次補正予算において、文化芸術関係団体が感染対策を十分に実施した上で行う積極的な公演等への総額二百五十億円の支援、文化施設における感染防止対策や配信等に関する整備等への約五十億円の支援を行うこととしております。
 また経産省においても、J―LODlive補助金での公演の支援などの対策が講じられておりまして、こうした事業を速やかにかつ確実に活用いただけるよう、今後、文化庁としても、情報提供や速やかな執行に努めてまいりたいと思っています。
○畑野委員 後でまた詳しく聞きますけれども、先ほど申し上げましたように、緊急事態宣言が五月三十一日まで延長されたわけです、今日から。
 五月五日には、一般社団法人日本音楽事業者協会など四団体が「緊急事態宣言の延長に際しての声明文」を発表しました。翌六日には、全国興行生活衛生同業組合連合会が「緊急事態宣言の延長に伴う映画館・演芸場への休業要請に対して」と題する声明を、また、緊急事態舞台芸術ネットワークが「緊急事態宣言 期間延長に際して」という声明を次々発表されています。
 これらの声明文の中では、十分な説明もないまま無観客開催や休業が要請されたことに対して、この一年、感染症対策に万全を期して、クラスターを発生させない努力をし、実際に発生させていないにもかかわらず、科学的な根拠に基づく説明が何もなされず、納得がいかないという抗議であふれています。
 今回の緊急事態宣言の延長でも、大規模イベントは五月十一日まで無観客開催だったのが、十二日からは、入場制限をかけて二十一時までの開催を求めるが、各知事の判断で独自の対策を上乗せできるとしています。東京都は、映画館には休業要請、それ以外のイベント開催は国の基準で行うと言っていましたが、ところが、昨日、文化庁は、東京都内の国立文化施設五つ、東京国立近代美術館、国立新美術館、国立映画アーカイブ、東京国立博物館、国立科学博物館について、十二日、今日から予定の再開を見送ると発表いたしました。
 このことについて、東京都とどのような協議をされたのでしょうか。そして、この対応が必要だというどのような科学的根拠があるのか。文化芸術関係者を含めて、この五つの国立文化施設だけでなく、納得が得られるように説明するべきではないかと思いますが、いかがですか。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 東京都に所在する五つの国立文化施設につきましては、政府の方針に基づき、開館に向けて準備を進めてまいりましたが、十日の夜、おとといでございますが、東京都から休業を継続するよう文書で正式な要請があったことを踏まえ、昨日十一日に休業を継続するということといたしました。
 このような状況においても文化芸術に触れる機会をできるだけ確保したいという文化庁の思いもございましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えたいという目的は東京都と一致しておりまして、東京都から特措法二十四条第九項に基づく要請を最大限尊重し、休業の判断を行ったものでございます。
 今回の措置は、委員御指摘の、新型コロナウイルスの感染症対策の基本的対処方針に基づき、政府としての目安を示した上で、地方公共団体が独自の判断でそこに上乗せする要請を行っているものでございまして、こうした独自の措置につきましては、決定した地方公共団体におきまして、対象となる方々に対して丁寧な説明を行っていただくことが必要であるというふうに考えております。
○畑野委員 それで、萩生田大臣にも御所見を伺いますけれども、国の施設ですから、それは止めるということは国の判断でできるんだけれども、映画館、これは本当に困っているんですよ。いや、何が何でもと言っているわけじゃないですよ。ですけれども、感染対策を努力してクラスターも出していないのに休業を要請するなら、納得できる科学的な根拠を示すべきじゃないですか。それと併せて、去年からずっと言っていますけれども、大臣にも直接何度も言っていますけれども、自粛を求めるなら十分な補償とセットでと。
 だから、科学的な根拠と十分な補償がセットでなかったら、まさに、文化の灯を消すなと大臣おっしゃってこられたけれども、それを保障することはできないと思うんです。
 この点、いかがですか。
○萩生田国務大臣 先生の御指摘のとおりでありまして、発症から約一年、いろんなことを学んできました。
 特に、文化芸術団体の皆さんは、真っ先に開催の延期、中止などで御協力いただき、そして、十分な資金がない中で、施設の改修などで換気をよくしたり、あるいはドアの開閉などのいろんなスキームをつくって努力をしてきましたからこそ、我々は、十一日までの緊急事態宣言は短期間に一気に人流を抑えようということだったので、施設の科学的根拠じゃなくて、人流、絶対的なことを抑えるということの東京都との話合いの中で御協力をさせていただいたんですけれども、引き続き緊急事態が続くということであれば、国の方針にのっとって施設を開放していこう、もちろんこれは、感染拡大に注意をしながら、入場制限や予約制や、そういったことも全部つくって今日の日を準備をしていたんですけれども、東京都から要請がございました。
 法律上、指定された自治体の長が上乗せの要請をすることができるということになっておりましたので、最終的には、どういう科学的根拠やどういう論理的な納得をしたかと言われると、またこれはワイドショーで使われてしまいますから、ここでは詳細は避けたいと思うんですけれども、我々は、先生の御質問の趣旨は十分理解していますし、また、できるだけ早くそういうふうにしたいと思います。
 特に、劇場二分の一を認めて映画館を認めないというのは、ちょっとこれは、私も説明しろと言われても説明できないです。ムービーシアターですから、映画館は。舞台には誰も立ちませんし、飛沫は一滴も飛びません。映像を見るわけですから。
 そういう意味では、映画館の皆さんが今まで御努力してきたことに対して今回東京都がそういう措置をしたことは、我々としては、理解をし、人流を抑えるという意味では理解をして協力をしたいと思いますけれども、皆さんしびれていらっしゃるのはよく分かっていますので、何らかの支援をしっかりしていかなきゃいかぬ、こういう思いでいます。
○畑野委員 ですから、是非、本当に科学的な根拠を説明することと、十分な支援、大臣がおっしゃってくださったことをしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 この点で伺いますが、アーツ・フォー・ザ・フューチャーのキャンセル料支援事業というのが始まりました。
 確認ですけれども、任意団体は二人以上ですね。経費というのは、固定費のことが言われていますが、具体的に伺いたい。
 そして、概算払い。これは大臣、検討するとこの間言っていただいて、加わったのはよかったと思いますが、申請して交付決定されるのは一回と書いてあるんです。それだと限定になっちゃうので、それは是非柔軟に対応していただきたいと思いますが、いかがですか。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 アーツ・フォー・ザ・フューチャーのキャンセル料支援事業におきましては、任意の団体を構成する者は二人以上を必要としております。
 また、補助対象経費は、緊急事態宣言期間中に自粛した公演活動等の開催準備のために発生した経費であって、例えば出演料、稽古費、スタッフ、会場費などが該当しますが、固定費についての範囲は、現在検討中でございますが、例えば人件費であるとか賃借料等、今まで対象となっていなかったものについて補助対象とするということとしたところでございます。
 概算払いの話でございますが、本事業では、一団体に交付決定するのは一回のみとはしておりますけれども、複数の公演、展覧会をまとめて申請することができまして、また、交付決定額の範囲内で事業の目的の達成がより効果的となる変更等は計画変更の申請を不要とするなど、柔軟な運用としてまいりたいというふうに考えております。
○畑野委員 今後の要望に応えて、柔軟に対応していただきたいと思います。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック大会について伺います。
 三月十日の当委員会の質疑の中で、政府から、指定病院については、都内で約十か所程度、都外二十か所程度の確保を念頭に現在交渉中と答弁をいただきました。
 そこで伺います。
 現在どの程度確保できているのかの状況、また指定病院となった病院をお示しいただきたいと思います。あわせて、要請している病床数についても伺います。
○河村政府参考人 お答えいたします。
 アスリート等に対して選手村総合診療所や競技会場の医務室の機能を超える治療等が必要な場合などには、大会指定病院に搬送する仕組みを取っておりまして、現在、組織委員会におきまして、競技会場等周辺の大学病院と調整を進めている状況にございます。現在、委員から御指摘もございましたが、都内約十か所、都外約二十か所の確保を念頭に交渉しているところと伺っております。
 病床数についてもお話がございましたが、アスリート等を受け入れます大会指定病院との打合せに当たりましては、地域医療に支障が生じない範囲で、個別の医療機関とお話をしているものと承知しております。
○畑野委員 東京都も、そして大阪府も含めて、本当に感染状況が深刻で、医療現場も逼迫している状況だと思うんですけれども、どの程度確保できるのかと聞いたんだけれども、確保できているんですか、ゼロですか。
○河村政府参考人 お答えいたします。
 病床数あるいは医療従事者の方も含めて、現在調整中であるというふうに聞いております。
○畑野委員 数字が出てこないと。
 丸川珠代オリパラ担当大臣が、三月十日、当委員会で、地域医療に負担をかけないというのは本当に重要なことで、この点は私どもも十分に検討させていただきたいと御答弁いただきました。地域医療に負担をかけないということであれば、どこの指定病院がどうなのか、どれぐらいの病床や医療従事者を要請しているのか、こういうのは住民に明らかにするのは当然だと思います。
 これは引き続き求めていきますから、後で出してください。
 そして、伺いますけれども、指定病院のほかに協力病院というのがあります。協力病院は、会場で従事される医療従事者約一万人に協力をする病院だと伺っておりますが、どれぐらいの数を想定しているんでしょうか。また、一万人の内訳について、医師、歯科医師、看護師、その他医療従事者の数は何人を想定して、どれぐらい確保できているのか、伺います。
○河村政府参考人 お答えいたします。
 まず、協力病院についてお話がございましたが、協力病院につきましては、働きかけをしております中の一環となっております。
 医療スタッフの確保に当たりましては、スポーツドクター等が所属いたします国内競技団体、あるいは、今委員御指摘の大会協力病院、あるいは医師会、看護協会等関係団体と丁寧にお話をしながら、現在お話をしているところであります。
 それから、医療従事者の内訳についてお尋ねがございました。
 東京大会の開催に係る医療スタッフの内訳でございますが、医師、歯科医師が約三割、看護師が約四割、理学療法士が約一割程度、さらに検査事務に当たられる方を約一割程度確保することを目指していると承知しております。
○畑野委員 そうすると、確認ですけれども、医師、歯科医師は三千人、看護師は四千人程度ということですか。
○河村政府参考人 お答えいたします。
 概数でございますが、そのような理解で結構かと思います。
○畑野委員 これは、一人五日というふうな計算でそういう数字なんですね。それもまだ分からない、調整中ということですよね。
 伺いますけれども、看護師五百人の派遣要請というのが看護協会にも行われて、大きな問題になりました。スポーツドクターについても二百人の要請をしているということですが、確認ですけれども、一万人の内数ということでこれも入るということですよね。それぞれ確保状況はどうなっているのかということと、こういう数字が出てくると、じゃ、残り九千三百人はどうなるのかということなんですが、どうですか。
○河村政府参考人 お答えいたします。
 先ほどもちょっと述べさせていただきましたが、東京大会の開催に当たる医療スタッフにつきましては、いろいろな対象先にお願いをしているところでございます。スポーツドクター等が所属する競技団体もそうですし、大会協力病院、医師会、看護協会、そういったところに丁寧に説明をしながら働きかけをしているところでございます。
 その中で、今委員から御指摘がございました一万人の内数であるところの五百人、二百人に当たります、日本看護協会及び日本スポーツ協会への要請についてでありますが、その一環として行われたものであります。スポーツドクターあるいは現在勤務をされておられない看護師の方々も含めまして、それぞれの方の希望に応じてお願いをしていくものと承知しております。
 いずれにいたしましても、地域医療に支障を生じさせず、大会において必要な医療体制を確保できるよう、国といたしましても、引き続き、東京都や組織委員会等としっかりと連携を図りつつ、後押しをさせていただきたいと思っております。
○畑野委員 いや、だから何にも確保できていないということでしょう。
 スポーツドクター二百八十人という報道が昨日ありましたけれども、スポーツドクターというのは医師ですよ。でも、二百八十人の内訳は、歯科医師というのも入っているんですね。これはスポーツデンティストですよね。
 だから、違うんですよ。そういうのも混乱して出てくるわけです。そういうのをちゃんと取りまとめてやらなかったら、それは開催できないでしょう。
 伺いますけれども、四月二十八日に第七回新型コロナウイルス感染症対策調整会議がオリパラので開かれました。変異株等に対応した追加的な対策について、案が示されました。アスリート等、大会関係者の出入国に係る措置の在り方で、受入れ責任者が管理することで実効性が担保されるということですが、受入れ責任者は誰ですか。
○河村政府参考人 お答えいたします。
 東京大会に参加するアスリート等及び大会関係者の出入国に係る措置の在り方につきましては、今御指摘をいただきました二十八日に開催しましたコロナ調整会議において、変異株等への追加対策として取りまとめが行われているところであります。
 その中におきまして、アスリート等や大会関係者が国内にお住まいの方々との接触を厳に回避するため、滞在先や移動手段を限定する等の厳格な行動管理、健康管理、また、出国前検査や入国時検査に加えまして、定期的な検査をきちんと、必要な防疫上の措置を講ずることとされておりまして、この措置の実効性を担保するため、受入れ責任者が管理を行うこととしております。基本的には組織委員会が受入れ責任者を務めることとなりますが、外国から入国した選手が入国後十四日以内にホストタウンに滞在する場合には、ホストタウン自治体が受入れ責任者を務めることとなります。
○畑野委員 厳格なといっても、それぞれ、大会関係者は、会社が受入れ責任者とかになるわけですから、それでできるんですか。違反者にペナルティーがあるといったって、実効性が担保されるかというのも、本当に言えないと思います。
 最後に伺います。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会における学校連携観戦について、八十一万人が観戦予定だったと二〇一九年時点で言われていたということを、しんぶん赤旗日曜版五月二日、五月九日合併号が報道いたしました。
 現在の観戦予定者数と、また、どのような感染症対策を講じると検討されているのか、伺います。
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の学校連携観戦プログラムでございますが、これは御指摘のように、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の令和元年度に組織委員会によって募集が行われたものでございます。
 現在、国内における新型コロナウイルスの感染状況も踏まえて、観客上限に係る検討ですとか、観客の感染症対策に係る検討が行われているところでございまして、この結果を踏まえ、本プログラムの扱いについても組織委員会で検討がなされるものと認識しているところでございます。
 また、そうした観客数あるいは感染症対策についての今後の検討を踏まえたものとなりますけれども、学校連携観戦プログラムにおける感染症対策について東京都の教育委員会に確認いたしましたところ、校外活動における感染症対策等について東京都教育委員会がまとめたコロナ対策下の学校運営に関するガイドライン、あるいは、観戦のための移動に当たり、マスク着用等についてまとめた鉄道連絡会のガイドラインの遵守、あるいは観戦する学校に対する消毒液の配付といったことを予定していると聞いておりまして、さらに、観客の感染症対策を踏まえた本プログラムの対策について検討していると承知しております。
○畑野委員 つまり、オリパラ関係に聞いても、何も具体的な話は現時点でないということですよ。本当にひどいことだと思います。
 開催によってコロナ感染症対策が中断されて、コロナ感染を日本や世界に広げる要因になりかねませんので、すぐにでも中止を決断すべきだと。今日、丸川大臣、一言も立たれませんでしたが、もう終わります、時間が来ましたので。
 何か一言あれば、伺って終わりますけれども。
○丸川国務大臣 同じ誕生日の畑野先生でございますので。
 とにかく国民に不安を与えない判断をするということが大事であると考えております。
○畑野委員 七割以上が中止、延期を求めておりますので、であれば、中止の決断を求めて、質問を終わります。
 ありがとうございました。