24日の衆院文部科学委員会で、小学校の体育の授業で体操着の下に肌着を着るのを禁止する指導について、子どもたちや保護者から批判の声が上がっているとして、対応を求めました。

 スポーツ庁の藤江洋子次長は、「肌着の取り扱いは、社会通念に照らして必要かつ合理的なものとすべきで、児童生徒の心情や保護者の意見を尊重することが適切だ。18日に教育委員会を通じて各学校に点検と必要な見直しを行うよう通知した」と答弁。萩生田光一文科大臣は「今の時代に合っていない。対応したい」と述べました。

 また、児童生徒が自身のプライベートゾーン(性に関わる大事な場所)について正しく学ぶ必要があると指摘すると、文科省の義本博司総合教育政策局長は、「水着で隠れる部分は、他人に見せない、触らせない、他人に触らないなど、自分の身を守ることの重要性等を指導する取り組みを推進している」と答えました。

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「国際セクシュアリティー教育ガイダンス」がプライベートゾーンについて5歳から学ぶとしており、子どもの権利条約からも「校則や学校の慣行を見直し、子どもの意見を尊重する体制を」と求めました。

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【2021年3月24日衆議院文部科学委員会議事録(抜粋)】

○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 まず伺います。
 体操服の下に肌着を着ることを禁じることについて、子供たちや保護者から批判の声が上がっています。萩生田光一文部科学大臣としては、どのような対応を取られますか。
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 小学校の体育の授業の際の体操服の下に肌着を着用しないよう指導があったことに対して、子供や保護者から批判の声が上がっているということは承知しているところでございます。
 体育の授業における肌着の取扱いについては、各学校において適切に決定されるべきものではございますが、長年の慣習にとらわれることなく、社会通念に照らして必要かつ合理的なものとすべきであり、児童生徒の心情や保護者の意見を尊重することが適切であるというふうに考えております。
 文部科学省といたしましては、先週木曜日、十八日になりますが、教育委員会を通じまして、各学校に点検と必要な見直しを行うよう通知したところでございまして、今後更に、教育委員会の指導主事等が参加する様々な会議ですとか教員研修の場において周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○畑野委員 大臣、一言いかがですか。
○萩生田国務大臣 これは参議院の委員会でも突然聞かれて、テレビの放映でこういうのがあったといって、ちょっとにわかに信じ難かったんですけれども、調べてみましたら、確かにそういう慣例を続けている学校があるのも事実でありまして、今次長から答弁をしたとおりでございまして、ここは今の時代に合っていないんじゃないか。
 何か、いろいろ聞いてみますと、例えば、はるか昔に乾布摩擦とかを学校全体でやっていた頃に下着が邪魔になるとか、あるいは、汗をかいた後にぬれた下着のまま次の授業を受けると風邪を引くんじゃないかとか、いろんなことの配慮は当時はあったみたいなんですけれども、社会情勢も大分変わっていますので、ここは今申し上げたとおりの、答弁のとおりの対応をしていきたいと思います。
○畑野委員 大事なことだというふうに思います。子どもの権利条約からいっても、しっかりとした対応が求められます。
 児童生徒には、プライベートゾーン、他人に見せない、他人に触らせない、もし触られたら大人に言う、他人に触らないなど、正しく学ぶ必要があると思います。御認識はいかがですか。
○義本政府参考人 お答えいたします。
 政府におきましては、昨年の六月でございますけれども、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を策定いたしまして、その中では、例えば、学校等におきまして、水着で隠れる部分については、他人に見せない、触らせない、他人に触らないなどの、自分の身を守ることの重要性等を発達段階に応じて指導するなどの取組を推進することとしているところでございます。
 現在、文部科学省におきましては、内閣府と共同で、子供たちを性暴力の加害者、被害者、傍観者にしないための、生命(いのち)の安全教育に関する教材や指導の手引を作成しているところでございまして、詳細においては現時点ではお答えするのを差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げました強化の方針の趣旨を踏まえたものにしたいと考えております。
    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕
○畑野委員 ユネスコが定める国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、プライベートゾーンについて五歳から学ぶこととされています。校則や学校の慣行その他についても述べられておりまして、やはり体の権利を人権の問題として適切に学ぶためには、校則や学校の慣行を見直し、子供の意見を尊重する体制をつくっていくことは大事だと思います。
 そういう点を含めて、大臣、このプライベートゾーン、大事だということを、文科省の方でも進めていただいているということですが、その点について御認識を一言伺います。
○萩生田国務大臣 今局長が答弁したとおりでございまして、これからまたしっかり啓蒙していきたいと思います。
○畑野委員 是非進めていただきたいと思います。