衆院文部科学委員会で10日、日本共産党の畑野君枝議員が東京五輪・パラリンピックにおける医療体制の準備状況をただし、医療面の新たな負担の実態が明らかになりました。  政府は大会中の1万人の医療従事者の確保とは別に、選手のけがや新型コロナウイルス陽性者の入院等に対応するため、都内10カ所、都外20カ所の「指定病院」が必要になるとともに、各競技会場周辺の大学病院等に協力を求めていることを明らかにしました。同時にそれらは「交渉中」とし、いまだ確保にいたっていないことも認めました。  組織委員会や日本政府は1万人の医療従事者の確保が必要としてきましたが、その確保も見通しがないだけでなく、さらなる地域医療の負担が浮き彫りとなりました。  畑野氏はそうした現状を踏まえ、「大臣は『安心・安全な大会を目指す』というが、医療分野からみたら(五輪の受け入れは)無理だということ。ワクチン対応や熱中症対策、地域医療も担っている。いま変異株の問題もある。国民の8割が無理と言っている中、わが党は中止も含めて検討すべきと主張しているが、(政府も)そういう検討をすべきだ」と求めました。  丸川珠代五輪担当相は「ご指摘のように、地域医療にご負担をかけないというのは本当に重要なことで、この点は私どもも十分に検討させていただきたい」と語るとともに、「私どもの状況をよく伝えながらIOC(国際オリンピック委員会)や都、組織委員会と協議をしたい」と答えました。  畑野氏は「大会を開くかどうかが大問題になっている。国民の命を守る立場で、しっかりとIOCにものをいうべきだ」と重ねて政府に求めました。 (しんぶん赤旗 2021年3月11日付)

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【議事録】

○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から十年の三月十一日を迎えるに当たり、改めて、犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表し、被災者の方々にお見舞いを申し上げるとともに、今年二月十三日、福島県沖を震源とする地震で被災された方々にお見舞いを申し上げます。
 そして、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表します。
 まず初めに、萩生田光一大臣、先ほどの議論の関わりで一つ伺いたいんですが、全日本私立幼稚園連合会の不正経理問題について、全国の幼稚園、園児に関わる問題ですから、実態の解明に向けて文科大臣としてもしっかりやっていただきたい、そういうお考えについて、一言伺いたいと思います。
○萩生田国務大臣 繰り返し申し上げていますけれども、文科省が所管する団体ではなくて任意の団体なので、私がその調査に指示やあるいは指導や助言を与えるということは制度上できないんですね。本当は、ここに来て、所管外なので答弁は控えさせていただきますという案もあったんですけれども、それは、今先生がおっしゃったように、全国の子供たちが通っている幼稚園の連合体で、いざとなれば、やはり親御さんたちが信頼し頼ってくれるのは文部科学省だと思いますから、そういう意味で、道義的な責任があると私は思っていますので、成り行きはしっかり見守っていきたいと思うんですけれども、乗り込んでいって、中身どうなっているんだというわけにはなかなかいかないことだけは御理解いただきたいと思います。
○畑野委員 やはり、政府の予算も含めて、関わっている問題ですから、自らの問題として、是非、実態解明に向けて取り組んでいただきたいということを重ねて申し上げます。
 さて、昨年二月二十七日の全国一斉休校要請から一年がたちました。その後の緊急事態宣言も含めて数か月にわたり学校が休校となり、学校行事の中止など、友人との触れ合いの機会も失われました。一年たって、子供たちにどのような影響が表れているかということを今日伺いたいと思います。
 二月十日の国立成育医療センターの第四回「コロナ×こどもアンケート」の結果、大変衝撃的でした。中程度以上のうつ症状があるというのが、小学校四年から六年生の一五%、中学生の二四%、高校生の実に三〇%にあるという結果です。
 子供たちの自殺の問題もあります。今年一月二十二日の厚労省発表では、二〇二〇年は自殺が十一年ぶりに増えましたが、その中で、小中高生は一月から十一月までで四百四十人です。前年同月比一八・三%増で過去最多ということで、四百四十人のうち高校生は三百七人で、初めて三百人を上回るという深刻な状況です。
 学校の勉強が速くてつらい、もう一年かけて勉強したい、これは「コロナ×こどもアンケート」第三回の調査報告書に紹介されている中学三年生の声です。第四回のアンケートに答えた子供たちの一番の悩みは、勉強のこと、中学生の三九%、高校生の三五%を占めています。
 萩生田大臣、このような子供たちの実態、どのように受け止めていらっしゃいますか。
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症の影響が長期にわたる中、児童生徒は様々なストレスや課題を抱えるものと認識しており、各教育委員会からも、漠然とした不安、先の見えないことに対する不安を抱えている子供が増えた、新しい日常の学校生活に肉体的、精神的な疲れを感じている子供が多い、いわゆる中一ギャップに陥る割合が高く感じられ、中学一年生の個別支援、配慮が増えている、保護者の新型コロナウイルス感染症への不安やそれに伴う仕事の影響などが保護者のストレスとなり、子供への影響を及ぼしているケースが見られる、また、学習の遅れを取り戻せている地域でも学習内容の理解と定着には懸念があるなどの報告を受けております。
 御指摘の国立成育医療研究センターの調査や各教育委員会が実施する調査からも示されているものと認識しておりまして、文部科学省としては、児童生徒の心理的、学習面への影響に対して、引き続きしっかりと対応していく必要があると受け止めております。
○畑野委員 大臣もおっしゃっていただきましたけれども、私もこの間、宿題が多くて潰れてしまったという子供、不登校になってしまった子供、進路の変更をせざるを得なかった子供たちなど、お話を伺ってまいりました。
 ある市の教育委員会ですが、標準授業時数の八七%程度の授業時数を確保して、年度内に終わらない学習内容は次年度に送るなど、柔軟な対応を推奨していらっしゃいました。しかし、そのように教育課程を編成したのは数校だったと。一斉休校で約二か月間授業ができなかったにもかかわらず、小学校五年生で標準授業時数を超えて授業時数を設定した学校は四二%、中学校二年生では二七%あったというふうに伺っています。
 ある高校で、高校一年生で、かなりの量の宿題が毎日出されて、真面目に深夜まで全部こなしていたある女子生徒は、玄関を出ようとしたら足がすくんで、そのうち朝起きられなくなって、精神疾患だと診断がされました。このクラスでは、退学、不登校の生徒が五人も出ているというんですね。
 また、ある中学校の三年のあるクラスですが、昨年六月に学校が再開されて以降、一年分の教育課程を十二月までに終わってしまった。ところが、学期末のテストで零点を取る生徒が出たり、保護者からは余りにも進度が速いと苦情が寄せられたというんですね。
 私は、一斉休校の遅れを年度内に取り戻すために詰め込み授業が行われたり、分からないまま置いてきぼりされている子供たちの悲鳴が上がっているわけですから、文科省として、この一年の取組をしっかりと総括して、苦しんでいる子供たちへの対応策を検討していただきたいと思うんです。
 十年前の東日本大震災後も、多くの子供たちの心のケアが必要だと言われて、それは十年たっても必要だ。その対応を求めていきたいと思うんですけれども、大臣、どうでしょうか。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、コロナ禍にあっては、もとより各教育委員会等を通じて児童生徒の課題の把握に努め、これまで取り組んできたところでございます。
 具体的には、児童生徒の心のケア、あるいは福祉的な支援の充実に向けて、スクールカウンセラー等について、自治体からの要望も踏まえつつ追加配置の支援を行うとともに、各教育委員会等に対しまして、養護教諭やスクールカウンセラー等による支援を行うこと、あるいは二十四時間子供SOSダイヤルなど相談窓口を周知するなど、児童生徒の心のケア等に十分配慮するよう繰り返し求めてきたところでございます。
 現在御審議いただいております来年度の予算案におきましても、スクールカウンセラーの更なる配置の拡充や、SNS等を活用した相談体制の全国展開などに必要な経費を計上するなど、教育相談体制の更なる充実を図ることとしているところでございます。
 また、さらに、感染症対策を徹底しつつ、最大限子供たちの健やかな学びを保障するという観点で、「学びの保障」総合対策パッケージを取りまとめ、この内容を踏まえまして、加配教員、あるいは学習指導員等の追加配置や、ICT環境の整備など、必要な人的、物的支援に努めてきたところでございます。
 来年度予算案におきましても、GIGAスクール構想の着実な実現や、外部人材の配置支援、学びの保障としての感染症対策等に要する経費を計上したところであり、各学校では、こうした支援策等を活用いただきながら取組を進めていただきたいと考えております。
 文部科学省としては、これらの取組を通じて、引き続き、児童生徒の心理面あるいは学習面への支援についてしっかりと対応してまいりたいと考えております。
 以上です。
○畑野委員 昨年、次年度以降を見通した教育課程編成や学習活動の重点化を認めた文科省の通知なんですけれども、一こまの時間を短くした上で一日当たりの授業こま数を増やすとか、長期休業期間の短縮、土曜授業、行事の重点化等々の取組を講じても、なお年度内に終わらない場合の特例的な対応とされてきたんですね。これだと、やはり、年度内に教科書は終わらせる、そうしなくちゃいけないという流れに私はなってしまったんじゃないかと思うんです。
 あるいは、ストレスが多い学校、そこを正せと、国連子どもの権利委員会からも、極度に競争的な制度の改善が求められています。私はやはり、全国一斉学力テストをなくそうというふうに言ってきましたけれども、来年度については本当にやめる必要があるというふうに申したいと思います。
 こういう教育政策の在り方そのものが、このコロナの一年の中で問われているというふうに思います。
 そこで、更に伺いたいんですが。
 一人一人の先生方は、教員は、本当に子供たちと真摯に向き合っておられまして、ある中学校の一年生の担任の先生が学級通信を出されまして、ふだんの授業で困っていることは何ですかとアンケートで聞いたら、いろいろ出るんですね、生徒から。質問したいけれどもできない、字を書くスピードがついていけない、本当は発言したいのに発言しづらいと。先生も、オープンにしますよ、そういうお返事を書いてくださっているんです。しかし、このクラスは、伺ったら、四十人なんです。やはりこの規模では限界があると思います。
 今国会に小学校を三十五人学級にする法案が出されていることは歓迎します。二月十五日に衆議院の予算委員会で菅義偉総理大臣が、法案の附則の検討について、中学校を念頭にと御答弁されました。萩生田大臣もそういう御認識でよろしいでしょうか。
○萩生田国務大臣 たしか、先生が予算委員会で質問されたというふうに記憶をしております、総理もですね。
 そもそも私、元々皆さんと目指した方向は小中学校の三十人学級だったので、先生の質問に対して不退転でというふうにお答えしたんですけれども、結果として少し退転してしまったことは反省しなきゃいけないと思っています。
 しかし、四十年間動かなかったことが動き出したので、小さな一歩を皆さんと踏み出すことができました。これで終わりじゃなくて、やはり当然、中学校もいい環境で学んでもらう必要があると思っていますので、総理の答弁を重く受け止めて、しっかりその方向で努力したいと思います。
○畑野委員 大臣、是非更に進めていただくように申し上げておきます。
 さて、全国一斉休校措置は、子供たちの保護者が仕事を休まざるを得ない、その間の収入が断たれるという問題を引き起こしました。厚生労働省は、小学校休業等対応助成金・支援金をつくられました。
 一方で、企業が申請しないことが原因で助成金が受けられないケースが残されております。個人での申請を可能とする見直しを求める声が出されておりますけれども、三原じゅん子厚生労働副大臣、今後の対応をどのようにお考えでしょうか。
○三原副大臣 お答えいたします。
 小学校休業等対応助成金は、小学校等の臨時休業等に伴い、子供の世話を行うため仕事を休まざるを得ない保護者を支援し、子供たちの健康、安全を確保するための対策として、有給の休暇を取得させた事業主に対して、休暇中に支払った賃金相当額を支給する制度でございます。
 事業主の皆様には、本助成金の趣旨に御理解いただいた上で是非御活用いただきたいと考えており、様々な機会を通じて周知に努めるとともに、都道府県労働局に特別相談窓口を開設しまして、事業主への働きかけ等を行ってきたところでございます。
 ただし、委員今おっしゃったとおり、御活用いただけていない事業主が一部残っていることも事実でございます。総理からも、労働局からの働きかけによっても本助成金を活用いただけない場合に、個人の方からの申請を政府が小学校等の休業を要請した時点まで遡って可能にするよう指示を受けております。できる限り早く具体的な内容をお示しできるように検討してまいりたいと思います。
○畑野委員 大変大事な御答弁をいただきました。是非進めていただきたいと思いますし、倒産してしまった企業の対応も御検討いただきたいと思うんです。
 そこで、萩生田大臣に伺いたいんですけれども、学校が休業する場合にこの制度を知らされていなかったという方が本当に多くて、今、総理を始め、そういうふうに改善しようと三原副大臣からも御答弁ありましたので、一番早いのは、学校を通じて保護者にお伝えするというのがいいと思うんです。是非そういう対応をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の小学校休業等対応助成金・支援金につきましては、これまでも、厚生労働省からの依頼を受けて、累次にわたり、厚生労働省と連名で、教育委員会等を通じて学校、保護者へ周知を図ってきたところでございます。昨年の三月を皮切りに先月も行いまして、これまで都合四回にわたって周知に努めてきたところでございます。
 今の三原副大臣の御答弁も踏まえて、今後、周知が必要になったタイミングで、できる限り速やかに厚生労働省と連携をして対応してまいりたいと思っております。
○畑野委員 是非、一人一人の保護者に、御家庭に届くように通知を出していただきたいということで、重ねて、大臣、よろしくお願いしたいんですが、一言。
○萩生田国務大臣 今局長が答弁したとおりでございまして、分かりやすいペーパーを今までも何度もお配りしているし、これは教育委員会で止まっているとは思っておりませんので、きちんと御父兄に届いているはずなんですけれども、念のため確認します。
○畑野委員 大臣からも心強い御答弁がありましたので、是非進めていただきたいと思います。
 ある公立中学校で、入学の際に、夏冬の制服、体操着の購入で七万九千円かかるというんですね。だから、本当に今、保護者は大変なんです、新年度、新学期をどう迎えようかと。是非支援をお願いいたします。
 三原厚労副大臣、お忙しいと思いますので、御退席されて結構です。ありがとうございます。
○左藤委員長 では、御退席どうぞ。
○畑野委員 さて、コロナ禍で、経済的理由などにより毎月の生理用品を購入することができない生理の貧困が可視化されています。当たり前に生理用品を手に入れられるようにしようという動きが世界で広がり、昨年、スコットランドで全ての女性に生理用品の無償配布が決まったニュースは、国連女性機関のジェンダー平等にとって重要な、十大ニュースに選ばれました。
 日本でも、生理用品を買えず、登校できなくなるなどの問題が起きています。ネグレクトなど複雑な家庭の事情を抱えているケースなどでは、買ってもらえない児童生徒もいると聞いています。
 第五次男女共同参画基本計画では、特に、「十代から二十代前半は、生涯にわたる健康の基盤となる心身を形成する重要な時期であり、健康教育の充実、専門的な保健サービスの確保、月経周期等の重要性の理解、月経異常の見極めによる疾患の早期発見、」そして、「保健の充実を推進する。」としております。生理の貧困の問題は、そうした前提を欠くような事態になっております。
 今、コンビニエンスストアでは、三月八日の国際女性デーにちなんで、翌日から年内いっぱい生理用品を二%引きする、こういう動きも出ているわけですね。諸外国でも学校での無償提供が広がっております。
 学校の保健室には生理用品があるんですけれども、それは忘れてしまった場合とか急な対応ということで、後で返さなくちゃいけないというところもあると聞いているんですね。是非、学生、児童生徒に生理用品の無償提供を行ってほしい。
 「#みんなの生理」のアンケートが三月四日発表したところによりますと、学生の二割が金銭的な理由で生理用品を買うのに苦労したということも言われております。
 また、学校施設の女子トイレへの返却不要の生理用品の設置ですとか、必要な児童生徒に対する生理用ショーツの配布、養護教諭に生理を始め心や体の悩みを気兼ねなく相談できる環境の整備等を早急に行うべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
 まず、内閣府に伺います。
○林政府参考人 お答え申し上げます。
 経済的な理由で生理用品を購入できない学生、生徒がいるという生理の貧困については、女性、女児の健康という観点から大事な課題と認識しております。また、海外では生理用品の無料配布などの動きがあるということは承知をしております。
 文科省を始め関係省庁と連携し、今後何ができるかを検討してまいります。
○畑野委員 この間も、御答弁されていますので、急いで対応していただきたいと思います。トイレは、女子トイレだけでなく、必要なトイレに置いていただきたいというふうに思います。
 大臣、文科省、いかがでしょうか。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 学校においては、通常、保健室に生理用品を備え、生理用品が急に必要となったり忘れてきたりした児童生徒に、委員御指摘のとおり、貸出しを行うなどの対応を行っているところでございます。
 貧困などの問題により生理用品が用意できない状況にある児童生徒については、返却をむやみに求めないことはもちろん、背景にある貧困の問題について、スクールソーシャルワーカー等と連携して適切に支援することが必要だと考えておりまして、先月、二月でございますけれども、行われました全国学校保健連絡協議会の場におきましても、教育委員会の担当者向けに、このことについて適切な対応を行うよう依頼をしたところでございます。
 先ほど内閣府さんからも答弁ございましたとおり、今後、何ができるかについてはしっかりと検討してまいりたいと思います。
 また、先生から御指摘のあった心の健康の問題でございます。
 ふだんから養護教諭は、生理も含めた心身の健康問題について、相談に応じたり必要な保健指導を行ったりしているところですが、引き続き、文部科学省としても、公益財団法人日本学校保健会と連携をして、養護教諭等が行う健康相談や保健指導の手引書を作成するなど、児童生徒が心身の悩みを気兼ねなく相談できる環境整備に努めてまいりたいと思います。
 また、大学等におきましては、昨年四月から開始した高等教育の修学支援新制度において、保健衛生費も含めた給付型奨学金の支援を行っているところでございます。また、不安を抱える学生に支援するため、文部科学省より各大学等に対し、学生の悩みや不安に寄り添ったきめ細かな対応をお願いしているところでございます。
 こうした取組を通じて、引き続き、児童生徒あるいは学生への適切な支援を行ってまいりたいと思います。
 以上です。
○畑野委員 大臣、一言。この新たな、可視化された問題なので、各省庁とも、各大臣とも連携して是非進めていただきたい、検討していただきたいと思います。いかがですか。
○萩生田国務大臣 検討します。
○畑野委員 是非よろしくお願いいたします。
 それで、今、保健室の養護教諭の話もありましたので伺います。
 感染症対策、それから、子供たち、教職員の健康管理、そして、今お話のあった生理の貧困の問題などを気兼ねなく相談できるための養護教諭の役割は重要です。
 それで、養護教諭の方々からお話を伺ったんですけれども、もう本当にコロナの中でストレスが多く、また、不登校、リストカットなどの自殺未遂、家庭内DVなど、本当に大変な状況に置かれております。
 正規の本務養護教諭の配置は、国立が九九・三%、公立が九四・六%の配置状況なんですが、私立学校は五五・九%にとどまっています。その理由は何ですか。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 学校における教職員の配置については、各学校の状況に応じてその設置者が判断するものであり、個別の状況について詳細は把握しておりませんが、専任ではなくて兼務の養護教諭を合わせれば、学校数と同程度の養護教諭が配置されているところでございます。
 こうした状況からしますと、私立学校については、例えば、同一の学校法人が小学校と中学校を併置する場合に、これらの学校間で養護教諭が兼務しているなどの状況があるものと考えているところでございます。
 以上です。
○畑野委員 それで、先ほどの話でも、養護教諭に体の悩みを相談したくても、女子生徒が行くと保健室に男子生徒がいて相談しにくいという話があるんですね。だから、複数配置をもっと促進していただく。
 そして、学校教育法附則第七条で、当分の間、置かないことができるということを、私は、この部分を規定を削除して、全ての学校、学校種に養護教諭を配置できるように、必置するようにする必要があると思いますが、いかがですか。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 私が数年前、県に出向していたときも、全県の小学校養護教諭の会長さん、中学校養護教諭の会長さん、高校養護教諭の会長さん、三人そろってよくお見えになられて、本当に子供たちのことを把握しているなということについて、大きな役割を果たしていることについては、一歩現場に近いところで勉強させていただいたところでございます。
 御指摘の学校教育法附則第七条の規定につきましては、制定当時の財政の状況及び養護教諭の人材確保の困難性に鑑みて、全国一律に養護教諭を必置とすることは現実的に困難であるとの考えに基づいて設けられたものでございます。現在におきましても、引き続き、国、地方の財政の状況、あるいは僻地等におきます養護教諭の人材確保の困難性等の現状もございまして、現時点において同条の規定を削除するということは考えておりません。
 しかしながら、先ほど、冒頭申し上げましたとおり、学校保健の中核となる養護教諭の果たす役割は一層重要となっていると考えておりまして、引き続き、養護教諭がその専門性を生かし、児童生徒の健康問題にしっかりと対応できるよう、学校保健の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
○畑野委員 大臣、こういったことも検討する必要があると思うので、一言どうぞ。
○萩生田国務大臣 養護教諭に限らず、学校の先生の在り方、全体的に見直そうとしています。令和の時代の新しい日本の学校像というのをつくっていきたいと思います。
 養護教諭の先生方が果たす役割は多岐にわたって物すごく重要で、私は必置でもいいと思っています。しかし、現行の法律では任意な配置になっています。
 他方、養護教諭の資格というのは、例えば、じゃ、学校の先生として授業を持てるかというと、それはまた違うんですね、免許が違うんですよ。看護師さんかというと、そうじゃないんですね。したがって、せっかくですから、専門性を持っていらっしゃるので、例えば保健の授業などはどんどん教壇に立てるような形の養護教諭の在り方というのもあってもいいんじゃないか。
 自治体によっては、小規模などでどうしても配置できない場合があれば、それは結果として他の先生にその負担が行っているわけですから、そういうのを考えると、これはいい機会なので、学校にとって必要な人材だとすれば、きちんと配置をしていくことを前提に、また、言うならば、その能力、中身も含めてしっかり見直しをしていく機会にしたいなと思っています。
○畑野委員 養護教諭の在り方については、とにかく現場が大変だ、ここをまず改善してほしい、それから私学助成もしっかりとつけてほしいということを申し上げておきたいと思います。
 林局長さん、お忙しいでしょうから御退席いただいて結構です。ありがとうございます。
 最後に、丸川珠代オリパラ担当大臣に伺います。
 大臣は所信で、東京オリパラ大会について、感染対策を万全なものにし、安心、安全な大会を実現するために全力で取り組む、変異種の世界的な感染拡大を踏まえてということでいろいろな対策を行うというふうにおっしゃいました。
 時間がありませんので、省略して伺います。
 大会開催には一万人の医療関係者が必要ということですが、現在何人あるいは何割の確保ができているのか、そこだけ教えてください。
○丸川国務大臣 これは組織委員会が具体的には確保していただくことになっておりまして、まだ具体的に何人までということは私どもも伺っておりません。申し訳ありません。
○畑野委員 それから、もう一つだけ聞きます。
 けがをした選手やコロナ陽性者の入院のための指定病院というのが必要になると思いますね。これは何件を想定して、決定している病院は幾つですか、端的に。
○河村政府参考人 お答えいたします。
 現在調整中でございますが、指定病院につきましては、都内で約十か所程度、都外二十か所程度の確保を念頭に現在交渉中でございます。
 それ以外に、組織委員会において、競技会場等の周辺の大学病院に対して、必要なスタッフについて依頼を行っている状況と承知しております。
○畑野委員 いつまでに確保できますか。
○河村政府参考人 選手村の開村等を見据えて作業をする必要がございますが、この件に関しましては、地域医療に支障が生じないように、これはワクチンの接種体制確保等々もございますので、そういったところをきちんと見極めたところで体制確保を行っていきたいと思います。
○畑野委員 おっしゃるとおりなんですよね。丸川大臣、もう医療分野から見たら無理なんですよ。ワクチンも打たなくちゃいけない、熱中症対策はもちろんあります、地域医療もしなくちゃいけない、そして変異種の問題がある。
 我が党は、もう中止を含めて検討した方がいいと。八割の国民が無理だと言っているんだから。その点いかがですか。そういう検討をした方がいいと思います。
○丸川国務大臣 委員御指摘の、地域医療に負担をかけないというのは本当に重要なことでございまして、この点は私どもも十分に検討させていただきたいと思います。
 ただ、最終的に大会を開催するしないは、IOCが最終決定権者でございますので、私どもも、自分たちの状況をよく伝えながら、IOC、また東京都、組織委員会と協議をしてまいりたいと思います。
○畑野委員 最後に一言。
 先ほどから議論になっている選択的夫婦別姓、そして女性差別撤廃条約選択議定書、ジェンダー平等の大会のレガシーをつくるという点で、是非政府としてやっていくという決意を、御認識を伺って、質問を終わりたいと思います。
○丸川国務大臣 東京大会は、オリンピック、パラリンピック史上共に、最もジェンダーバランスのよい大会でございます。是非、大会後に残るレガシーをつくるべく、努力をしてまいりたいと存じます。
○畑野委員 大会を開くか開かないかと大問題になっているんです。本当に国民の命を守る、IOCにもしっかり言うということを強く求めて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。