2月26日の衆院予算委員会分科会で、JFEスチール(川崎市)の大規模なリストラ計画を取り上げ、全員の雇用を守るよう国が指導すべきと求めました。
JFEが2023年度に計画している京浜地区の高炉休止では、従業員約1200人、関連・グループ企業の約2千人、下請け労働者を含めれば4千人以上の雇用に影響が及ぶといわれています。三原じゅん子厚生労働副大臣は「法令上問題のある場合、労働局を通じて指導するとともに、離職者に対しては円滑な再就職支援を行う」と答弁しました。
JFEには昨年3月時点で1兆8千億円を超える内部留保があり、来期は黒字に転換する見通しであるなど高炉休止やリストラに道理がなく、「転勤するか辞めるしかない」と退職強要まがいの面接が行われている実態を告発し、企業の雇用責任を果たさせるべきと求めました。
【議事録】
○畑野分科員 日本共産党の畑野君枝です。
まず初めに、栃木県足利市における大規模火災により被災、避難された皆様に、心からお見舞いを申し上げます。政府による迅速な支援、救助を求めておきます。
総務省の役割は、住民の命を守る上で本当に大きいものだと言わなくてはなりません。その中で、今回明らかになった総務省接待問題について、武田良太総務大臣に伺います。
総務省は、放送事業会社東北新社から接待された総務省幹部、同省出身者ら十三人のうち十一人について、国家公務員倫理規程違反と認定し、減給の懲戒処分等を行いました。しかし、これで幕引きとはまいりません。国会論戦を通じて、度重なる接待が放送行政をゆがめたのではないかという疑惑は深まる一方です。
接待が行政をゆがめたという前提に立った真相究明を行う必要があると思いますが、大臣、いかがですか。
○武田国務大臣 本当に、この度は、行政そしてまた国家公務員、公務員の信用を損なうこの事態に至りましたことを、心からおわびを申し上げたいと存じます。
二月二十四日に公表した総務省大臣官房による調査につきましては、倫理法令違反が疑われる十二人、延べ三十八件の事案について、該当する職員と東北新社社員への事情聴取や、関係書類の入手、精査を通じ、会食の事実関係を確認した上で、判明した行為の評価、利害関係の特定、懲戒処分等の検討を行ってまいりました。
その過程では、国会の同意をいただいて任命されたメンバーで構成される第三者機関である国家公務員倫理審査会に状況を随時相談し、御意見をいただきながら進めてまいりました。
この調査結果に基づき、十一人、延べ三十七件についての必要な処分等を行うものとしたものであります。
一方、今回の事案により、衛星基幹放送の業務の認定そのものに対して国民から強い疑念の目が向けられることになったことを重く受け止めております。
このため、過去の衛星基幹放送の認定プロセスについて、実際の意思決定がどのように行われたか、行政がゆがめられるといった疑いを招くようなことがなかったかについて、改めて、二月二十四日、新谷副大臣をヘッドとする検証委員会を早急に立ち上げるよう指示したところであります。
検証委員会は、客観的かつ公正に検証いただけるよう、第三者の有識者に構成員となっていただく予定であります。
国民の信頼を取り戻せるよう、できるだけ早急に対応してまいりたいと考えております。
○畑野分科員 そこで、第三者に基づくやはり調査というのは必要になってくると思うんですね。
やはり国民は、なぜあの優秀である総務省の幹部がこの東北新社の接待をこれだけ受けてきたのかと。普通だったら、倫理規程で考えられないことが行われているということ、あるいは、やはり菅義偉総理の長男、菅正剛氏が同席していたから総務省幹部も断れなかったのではないかという問題、さらに、東北新社側が何でこれほどの接待漬けを行ったのか、こういう一つ一つが明らかにならないと問題は解決しないわけですね。
それで、私は、接待に関わって、それぞれ、省内にメールなど、あるいはメモなりが残っていると思うので、そういったものをきちっと調べて提出していただきたいと。
それから、大臣はおっしゃらなかったけれども、山田真貴子内閣広報官は、二〇一九年の十一月六日当時、総務審議官だったわけです。この七万四千二百三円というのに、また国民は怒っているわけですよ。家族の一か月分の食費より高いとか、ある方は、一か月の年金よりも多いじゃないかと。こういう接待を受けたときの、御本人はおっしゃらなかったけれども、じゃ、メールなど、関係部署が持っているものがないのか、書類含めて、紙類含めて。そういうのがあると思うんです。そういうのをきちっとつまびらかにして、国会にも提出していただくということが必要になってくる。
それから、今回明らかになった日時だけでなく、もっとほかのものを遡って調べる必要も出てくると思うんです。そういったものをしっかりと、資料を提出していただきたいと思いますが、大臣、一言だけ。
○武田国務大臣 先ほど御報告申し上げました客観的な透明性のある第三者委員会、この委員会の構成、また在り方についても、今、公平で客観的なジャッジができる有識者の方々に御教示をいただいているところであります。その検証委員会を通じて、我々も様々な対策というものを講じてまいりたい、こういうふうに思っております。
○畑野分科員 内部では解決できないということですから、それを強く求めたいと思います。
委員長、こうした提出、求めた資料を是非委員会にも出していただきたいということを重ねて申し上げておきます。
○小倉主査 ただいまの件につきましては、分科員から御要望がありましたので、政府においてしかるべき措置をお願いしたいと思います。
○畑野分科員 次に、羽田空港の新ルート問題について伺います。
これまで上空飛行禁止と通知されてきた川崎の石油コンビナート上空を離陸時に通過する羽田新ルートの運用が、昨年三月二十九日から開始されました。市民から、騒音と墜落事故、落下物事故への心配の声が寄せられています。羽田新ルートは撤回すべきです。しかも、航空機の墜落や落下物による石油コンビナート事故の被害の想定すらされていない状況です。
昨年七月十六日時点のダイヤには、ボーイング777大型機が、伊丹空港や那覇空港へ向けて離陸時に、川崎の石油コンビナート上空を通過するB滑走路を使用する可能性があるとされてまいりました。
そのボーイング777型機は、今年二月二十一日、アメリカのコロラド州上空を飛行中、エンジンに損傷を生じて、巨大な部品が住宅地に雨のように次々と落下する、こういう事故を起こしました。エンジンは、プラット・アンド・ホイットニー社製です。日本では、国土交通省が、同じエンジンを搭載する同型の旅客機を保有する全日空と日本航空に対して、対策の必要性を検討する間、運航を停止するように指示いたしました。昨年十二月四日には、那覇空港発羽田空港行き日航ボーイング777がエンジントラブルで引き返し、緊急着陸いたしました。
昨年の二月の分科会で、一九六九年に消防庁が運輸省に宛てた、石油コンビナート地帯における航空事故による産業災害の防止についてという通知で、全国の石油コンビナート地帯の上空における最低安全高度以下の飛行禁止及び離着陸時における同地帯上空の飛行の回避を求めていると指摘いたしました。また、石油コンビナートの災害対策に関し、航空機の落下等、大規模な事故を原因とするものも国の防災基本計画に含まれることを内閣府に確認いたしました。
伺います。消防庁の石油コンビナートの防災アセスメント指針を基に、自治体は防災計画を策定しています。この指針は、石油コンビナートへの航空機の墜落や航空機からの落下物による事故についてどのように取り扱うのか。本指針で取り上げていない施設や災害が重要と考えられる場合には、本指針の考え方を参考に、立地条件なども考慮して独自に評価を行うことを推奨するとしています。その点について伺います。
○山口政府参考人 お答えをさせていただきます。
石油コンビナート等特別防災区域を有する都道府県は、石油コンビナート等災害防止法に基づきまして、特別防災区域に係る防災計画を作成し、毎年これに検討を加え、必要に応じて修正しなければならないとされております。
防災計画を策定するに当たりましては、特別防災区域で発生する可能性のある災害の種類、規模、影響等を把握するための災害の想定が不可欠でございます。
そのため、災害想定をできるだけ客観的かつ現実的なものとするために、消防庁は、平成六年三月に、石油コンビナートの防災アセスメントの策定指針をお示ししております。その後、阪神・淡路大震災あるいは東日本大震災を踏まえた見直し等も行ってきているところでございます。
この指針の中では一定のお考えをお示ししているところでございますけれども、委員からも御指摘ございましたとおり、石油コンビナートには、石油タンクや化学プラントなど多種多様な数多くの施設がございます。これらで発生し得る全ての災害を網羅してお示しすることは難しい、そういう観点から、各都道府県では、それぞれが所管する石油コンビナートの状況を十分に把握し、本指針で取り上げていない施設や災害が重要と考えられる場合には、本指針の考え方を参考に、立地環境なども考慮して独自に評価されることを推奨しているものでございます。
○畑野分科員 そうすると、航空機の墜落や航空機からの落下物の事故について、否定はしないということでいいですよね。ちょっと、そこのことを後で確認します。
川崎市の航空機災害警防活動指針は、石油コンビナートのタンク群に航空機が墜落した場合を想定しています。航空機は引火性の高い燃料を大量に搭載しているため、一瞬のうちに最盛期を迎える、林立するタンク群をなぎ倒す状況で地上に激突するものと考えられ、タンク内の燃料に引火して、誘爆、ファイアボールの発生危険を生ずるとしています。
これは二〇〇四年策定で、現在、世界で唯一、石油コンビナートの真上を年間八千便も飛行する計画の新ルートの運用が始まっています。被害の範囲や影響については記されていないので、地域住民から、石油コンビナートへの航空機の墜落や落下物で事故が起きた場合に自分たちはどうしたらいいのか分からないという不安の声が上がっているんです。
神奈川県の石油コンビナート等防災計画には、災害予防計画の中に航空機事故による災害の防止が入りました。国、県、関係市は、川崎石油コンビナート地域における航空機事故による災害発生の未然防止と拡大防止を図るため、連携強化を図ると県はしております。
ですから、今後、航空機の墜落や落下物による石油コンビナート災害の発生のおそれや被害の範囲や影響等について、自治体が科学的知見に基づく調査、予測、評価を行い、その結果を地域住民に周知していくということは有用で、大事だと思いますが、この点いかがですか。
○山口政府参考人 お答えをさせていただきます。
石油コンビナート法におきましては、防災本部及びその協議会は、先ほども申し上げました防災計画を作成し、及び毎年これに検討を加えて、必要があるときにはこれを修正しなければならないというふうになっております。
神奈川県の方の防災本部におかれましては、神奈川県に加えまして、川崎市ですとか関係機関が入って、そちらの方で防災計画を作っていらっしゃるというところでございます。そういった中で、これまでも様々な対策を検討されてきたと存じますけれども、被害の軽減に向けた様々な検討がなされるものと承知をしております。
○畑野分科員 つまり、航空機の墜落事故も、それは自治体の判断を含めて、そういうことも除外しないということでいいですね。確認です。イエスかノーかでいいです。
○山口政府参考人 神奈川県の先ほどの会議の中で十分御議論いただいて、御検討いただくことが必要であると考えております。
○畑野分科員 分かりました。
次に、川崎市の石油コンビナート地帯にあるJFEスチールの高炉休止に伴う雇用問題について伺います。
JFEスチールは、昨年三月二十七日、新型コロナ感染の不安が広がる中、突如、京浜地区の高炉休止を発表いたしました。これは事実上の廃止ということにつながると思います。JFEの従業員約千二百人、グループ関連企業の労働者約二千人、その他下請労働者を合わせると四千人以上、家族を含めると一万人に及ぶ人たちに影響を与えるということです。
これによって、正社員約千二百人に対して、京浜地区に残れるのは五十人程度、残りの従業員の配置先も、岡山県や広島県など遠隔地で、しかも数百名分しか明らかにされていないので、転勤できない事情のある労働者にはそれ以上の説明がなされていないということです。
この点について、今後、二〇二三年度を目途にということは当初から言われてまいりまして、大規模なリストラ、配転が予想されております。今の段階で、可能な限り雇用の維持、継続を図っていく、解雇を回避することが重要だと思うのですが、国としてどのように対応されますか。
○三原副大臣 個別の事案についてはお答えを差し控えたいんですが、一般論として、解雇については、労働契約法第十六条において、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされております。
使用者の整理解雇の有効性についても、最終的には司法判断となりますが、これまでの裁判例を参考にいたしますと、労働組合との協議や労働者への説明を行うこと、人員削減を行う必要性、できる限り解雇を回避するための措置を尽くすこと、解雇対象者の選定基準が客観的、合理的であること等について慎重に検討を行っていただくことが望まれると思います。
厚生労働省といたしましては、労働関係法令等に照らして問題のある事案を把握した場合には、引き続き、都道府県労働局等において適切に指導等を行ってまいりたいと思っております。
また、一か月に三十人以上の離職者を発生させる事業所は、離職者の円滑な再就職を図るため、再就職援助計画を作成して公共職業安定所長に提出する必要がございます。この計画の対象者の再就職のために、送り出し企業と受入れ企業に対して労働移動支援助成金による支援を行っているところでございますので、これらの取組を通じて労働者の円滑な再就職の実現に努めてまいりたいと思っております。
○畑野分科員 JFEスチールの北野社長は、昨年の三月二十七日のメッセージで、対象となった設備に関わる皆さんに一切の責任はないとおっしゃっておられます。そして、休止対象となる設備に関わる皆さんの雇用は必ず守ります、可能な限り皆さんの気持ちに寄り添った対応をしていきたいとおっしゃっています。
しかし、今年に入ってから行われているJFEの従業員への二回目の個人面談では、一回目の面談で転勤できないと言った労働者に対して、西に転勤するか辞めるしかないなどと退職強要まがいの面接が行われていると伺っております。
ですから、是非、厚生労働省としても、企業の言い分だけでなく労働者の声をしっかりつかんで、違法な解雇を許さない対応を進める必要があると思います。
あわせて、もう一つ伺いたいのは、高炉休止は、関連グループ企業で働く約二千人を超える労働者の雇用に影響を与えると言われております。関連する企業やグループ企業で働く皆さんには、会社側からの説明や情報もほとんど伝えられていないということです。これについてもきちんと雇用を守る必要があると思いますが、この点はいかがでしょうか。
○三原副大臣 お答えいたします。
先ほどと同様の答弁となりますけれども、どの事業所においても、労働関係法令等に照らして問題のある事案を把握した場合には、引き続き、都道府県労働局等において適切に指導等を行うとともに、労働者の円滑な再就職の実現にしっかりと努めてまいりたいと思っております。
○畑野分科員 先ほど御紹介した北野社長は、協力会社の皆さんについても、意向を聞きながら誠意を持って対応するとおっしゃっているわけです。是非これもしっかりやっていただきたいと思います。
そもそも、JFEには、昨年三月時点で一兆八千億円を超える内部留保がありまして、直近の四半期では鉄鋼事業部門で三百四十三億円を超える黒字を出し、来期は全体で黒字転換する見込みだと伺っております。高炉休止を撤回し、従業員と関連企業の労働者が安心して働ける雇用の確保、そして、地域の雇用や経済を今後とも持続的に支援できる、そうした社会的な責任を負うように強く求めておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
雇用の問題に関連して、コロナ禍での大企業のシフト制労働者の問題について伺います。
休業支援金の対象を大企業に広げて、休業手当を受け取りづらいシフト制等の勤務形態で働く労働者に適用することになりました。
一方で、一月八日以降並びに昨年十一月七日以降の時短要請がなされた都道府県については、休業前賃金の八割の額を支給するということなんですが、昨年四月から六月三十日までについては六割の額を支給する。これは、差を設ける根拠はなく、不当だと私は思います。
大企業の非正規で、シフト制で働く女性労働者の方は、菅義偉総理に直接会われまして訴えられた方なんですが、こうおっしゃっています。休業支援金の対象になったが、昨年四月から六月は六割補償であり、労働者を差別せず、八割補償にしてほしいと要望されているんです。
中小企業に適用した制度と同じように、期間を細切れにせず八割の額を支給すべきではないでしょうか。
○三原副大臣 企業の雇用維持の取組に対して、雇用調整助成金の特例措置を講じ、休業手当の支払いを支援することを基本として対応してまいりましたが、昨年末から感染が拡大し、対応が長期化するという中で、大企業についても雇用維持の支援策を更に強化する必要があることから、大企業に雇用され、休業手当を取りづらい勤務形態の方も休業支援金の対象とすることといたしました。
この特例は、昨年の四月一日から緊急事態宣言解除月の翌月である六月末までの休業も対象とすることとしておりますが、この期間は、雇用調整助成金の助成率も最大四分の三であった中で、八割に満たない休業手当を支払われている労働者もいることや、一部、自己負担の上で休業手当を支払っている事業主もいることとのバランスを考慮して、休業前賃金の六割を支給することとしたものでございます。
また、対象となる期間につきましても、既に雇調金の特例措置を活用して、自己負担もある中で休業手当を支払っている大企業もある中で、休業支援金の対象となる期間を過去に遡って拡大することは、こうした企業との間における不公平が新たに生じることから、緊急事態宣言等の影響を踏まえて対象期間を限定することとしたところでございます。
いずれにいたしましても、今般拡充した休業支援金が活用されますよう周知に努めるとともに、引き続き、雇用調整助成金の特例措置の活用を丁寧に働きかけてまいりたいと思っております。
○畑野分科員 労基法二十六条に問題があるということであれば、それを正さないといけないのは国の責任です、労働者に責任はないわけですから。これは、不利益を被る労働者には大企業も中小企業も関係がありませんので、三原じゅん子副大臣におかれましては、是非再検討を強く求めておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
武田大臣、新型コロナウイルス感染症で、大きな影響が全国の地方自治体にも及んでおります。本当に地方財政が逼迫しておりまして、神奈川県川崎市は、大臣も御存じのように、一昨年の台風による水害対応、それから昨年のコロナ禍による税収の落ち込みということで、不交付団体から交付団体に来年度なるという状況を伺っております。
国土交通省にまず伺いますが、二〇二〇年度の都市計画決定に盛り込まれる予定であったJR南武線や、京浜急行大師線の連続立体交差事業を先送りする状況になっていることについて伺います。
踏切道改良促進法に基づいて改良が必要と指定されている踏切が含まれておりまして、交通事故の防止及び交通の円滑化に寄与するという法目的から見ても重要だと考えますが、いかがでしょうか。
○渡邉政府参考人 お答え申し上げます。
連続立体交差事業は、鉄道を高架化又は地下化することにより複数の踏切を一挙に解消することにより、地域の安全性の向上に大きく寄与するとともに、都市内交通の円滑化や分断された市街地の一体化による地域の活性化を図る重要な事業でございます。
これまでに、全国約百六十か所で連続立体交差事業が行われております。川崎市内の京急大師線の一部区間における踏切四か所、あるいは、JR南武線の武蔵小杉駅から武蔵新城駅付近の区間における十二か所、これを含む全国千七百か所の踏切が除却されてきたところでございます。
これにより、各地域の安全性の向上、交通の円滑化、地域の活性化が図られてきたものというふうに認識をしているところでございます。
○畑野分科員 武田大臣、通告していないんですけれども、こういう実態で、本当に住民の皆さんの悲願なんですよ、亡くなった方もいるという開かずの踏切問題がありまして。
逼迫する地方財源を確保する国の責任を果たす上で、この間何度も言っているんですが、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げていくということを検討していただきたいと思うんですが、一言。
○武田国務大臣 国交省と取り組んで、適切に対応してまいりたいと考えています。
○畑野分科員 是非お願いします。
一方で、国の直轄事業の川崎港東扇島から水江町地区臨港道路整備事業は、総事業費が当初の五百四十億円から九百八十億円に膨れ上がって、市の事業負担が増加するなど問題になっております。
事業の一時休止や総事業費の圧縮等の検討をすべきではありませんか。
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
国際戦略港湾の川崎港は、京浜工業地帯の中核を成す工業港でございます。火力発電所が立地するエネルギー供給基地として、また冷凍冷蔵倉庫が集積する物流拠点として、我が国の経済活動においても重要な役割を果たしております。川崎市の雇用や税収の面におきましても、製造業や運輸業が集積している臨海部は、市民の暮らしを支える重要な地域でございます。
また、この東扇島地区でございますが、首都圏の大規模災害に備え、基幹的広域防災拠点が整備されており、災害時における緊急支援物資等の海上輸送や救援活動の拠点としての役割を担っているところでございます。
しかしながら、東扇島地区と内陸部を連絡するルートは、昭和五十四年に完成した海底トンネルの一ルートに限られております。朝夕の渋滞が恒常化しており、またトンネル本体の老朽化も進み、災害時のアクセスルートの確保も課題となっております。
このため、東扇島地区と内陸部の円滑な接続により物流機能の強化を図るとともに、災害時における緊急物資輸送のルートの多重化を図ることを目的に、平成二十一年度から国の直轄事業として整備に着手しているところでございます。
当該事業は、東日本大震災の最新の知見を踏まえた耐震設計等の見直しにより総事業費が増額することになりましたけれども、港湾管理者である川崎市からは、徹底したコスト縮減による総事業費の圧縮とともに、確実に予算を確保、執行し、事業期間内に完成させるよう整備を推進されたい旨の意見をいただいております。
今後とも、コスト縮減に努めつつ、着実に整備を推進してまいります。
○畑野分科員 最後に、介護保険に伴う指定地域密着型サービスの問題について伺います。
厚労省が、現在一ユニットに一人の職員配置となっている認知症グループホームの夜勤体制を、四月一日から三ユニットの夜勤二人以上の配置に緩和できるといたしました。
私は、夜勤の人員配置基準を一ユニット複数体制にできるよう手厚く支援すべきだと思うんです。夜間の加算があるといいますが、五十単位で、一ユニット九人の入所で一日四千五百円にすぎないんですね。ですから、夜勤複数体制が可能となるよう、介護報酬の改定や、認知症グループホームの夜間支援体制加算の単価を抜本的に引き上げる必要があるんじゃないかというふうに思っているんです。
時間がないので、もう一つ聞かせてください。
そもそも、グループホームの夜勤体制は、二ユニット一人夜勤だったんですが、火災事故を契機に見直されて、二〇一二年度から一ユニット一人以上という基準にされています。現在、認知症グループホームには、消防法によりスプリンクラー設置の義務がされていますが、その設置目的と設置状況はどうなっているのか。
つまり、スプリンクラーはつけられても、人は必要だというふうに私は思うので、その二点を聞いて質問といたします。
○堀内政府参考人 お答えいたします。
まず、介護報酬の件でございますけれども、令和三年度介護報酬改定におきまして、前回を上回る〇・七〇%というプラス改定になったところでございますが、このプラス改定により、認知症グループホームを含めて、原則全てのサービスの基本報酬を引き上げることとしております。
認知症グループホームの介護報酬の在り方につきましては、この基本報酬の引上げも含めまして介護給付費分科会の議論を経て決定したところであり、御指摘の夜間支援体制の加算について見直しを行うことは考えておりませんが、この基本報酬の引上げによりまして、日々現場で御尽力いただいております介護職員の確保あるいは処遇改善につながるものと考えております。
なお、議員御指摘の認知症グループホームの夜勤職員体制につきましては、介護給付費分科会におきまして、利用者の安全確保や職員の負担にも留意しつつ、人材の有効活用を図る観点から御議論いただいたところでございます。
その結果、具体的には、現行の夜勤を一ユニットに一人以上配置するという義務づけという原則は維持した上で、三ユニットの場合であって、各ユニットが同一階に隣接し、職員による速やかな対応が可能、かつ安全対策を講じる、そうしたことを要件として、例外的に夜勤二人以上の配置にできるように見直すこととしたものでありまして、今後適切な運用がなされるよう、厚生労働省としても周知してまいりたいと考えております。
○山口政府参考人 お答えいたします。
委員から御指摘ございましたとおり、平成二十五年二月の長崎市において発生した認知症高齢者グループホーム火災を受けまして、認知症高齢者グループホームなど、自力避難が困難な方が主に入居される施設につきましては、原則として、全ての防火対象物に対し、スプリンクラー設備の設置が義務づけられたところでございます。これは、火災時の避難等が可能となるよう延焼拡大を抑制することを目的とした改正でございます。
スプリンクラー設備の設置が義務づけられている施設の設置率でございますが、令和二年三月現在で九九・九%となっております。
○畑野分科員 そういうことでは、本当に夜勤は大変で、仮眠室の有無について、百三十五施設のうち三四%がないとか、それから、夜中、認知症のお年寄りは歩き回るから、職員がトイレの扉を開けたまま使用しなくちゃいけない、本当に大変なんです。
ですから、私は、体制を充実することは必要であって、三ユニットを二人にする、こういう緩和はすべきじゃない、充実こそ必要だということを申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。