【議事録】
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 十月二十四日のテレビ番組における萩生田光一大臣の教育格差の拡大を容認するような身の丈発言に対して、全国から憤りの声が上がっております。地方の貧乏人は身のほどを知れということか、格差を追認するような発言を大臣がしていいのかなど、受験生や教育関係者からの憤りの声です。 憲法二十六条は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」とうたい、教育基本法第四条は、「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」と規定しております。身の丈発言は憲法と教育基本法に反していると厳しく指摘しなければなりません。 そこで、まず大臣に、この身の丈発言と憲法、教育基本法との関連について御所見を伺います。
○萩生田国務大臣 先週二十四日のテレビ番組における発言の真意については、どのような環境下にいる受験生においても自分の力を最大限発揮できるよう、自分の都合に合わせて適切な機会を捉えて、二回の試験を全力で頑張ってもらいたいとの思いで発言したものです。 教育の機会均等については、今先生から御披瀝がありましたように、日本国憲法第二十六条では、全ての国民はその能力に応じてひとしく教育を受ける権利を有することを規定しています。また、憲法の規定を踏まえ、教育基本法の第四条において教育の機会均等を規定しており、第四条一項の前段では、国や地方公共団体による学校制度の構築や学校の設置、運営などによって、国民の教育を受ける機会の提供に努めなければならないという、より積極的な責務を規定しているところでございます。 今回、先ほど発言を撤回し謝罪申し上げましたけれども、憲法や教育基本法の理念にのっとって、教育行政をしっかりと前に進めてまいりたいと思います。
○畑野委員 この間、二十九日の閣議後の記者会見などで、この発言を謝罪し撤回したとおっしゃっておりますけれども、それで済まされる問題ではないというふうに私は思います。 先ほどからの議論の中でも、テレビ番組での司会者の質問というのは、英語については民間の試験を年二回まで受けていい、英検やTOEFLの民間の試験を使うと、お金や地理的な条件で恵まれている人が受ける回数はふえるのか、それによる不公平、公正性はどうなのかと問われて、大臣が、自分の身の丈に合わせて、二回をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえばというふうに答えた、この問題だったわけです。 さらに、この二十四日のテレビ番組で大臣は、大学入試への民間英語試験導入について、裕福な家庭の子が回数を受けてウオーミングアップできるみたいなことは、もしかしたらあるかもしれないとおっしゃいました。 伺いますけれども、この発言というのは、裕福な家庭の受験生は受験に有利になる制度なんだということをお認めになったということでしょうか。
○萩生田国務大臣 試験制度そのものは平等な制度として確立をされていると思いますけれども、受験をする前の準備段階においてはさまざまなツールがあって、そういう意味では、確かに試験は二回選んだものしか参考になりませんけれども、どこの会社の試験も含めて受けることはできるという環境は実際にはあるということを申し上げたまでであります。 そのことで、これは裕福な人たちの方が有利なんだということを私は容認したんじゃなくて、逆に、自分できちんとその精度を磨いて、ぜひ二回を選んで頑張ってほしいという趣旨で発言をしたので、先生も多分御承知だと思いますけれども、私は、教育格差の拡大を容認している議員ではなくて、どちらかといえば、経済的に困窮されている子供たちの支援を今までもしてきたつもりでおりますので、そういう思いでのエールを送ったつもりだったんですけれども、言葉足らずのところがあったと思います。
○畑野委員 いわゆる普通の民間試験の問題じゃないんです。これは政府が、文科省が責任を持って進める民間英語試験導入をめぐっての問題なんです。だから、本当に公平公正な試験制度を国が担保するという点では、片や何回も一年生から準備ができる、これを共通テストに導入することがいいのか、このことが今大問題になっているわけです。つまり、そういうふうに何回も受けることはできるということを大臣はおっしゃった、それは否定されませんでした。 もう一つ伺いたいのは、その後に、自分の志で一回や二回は故郷から出て試験を受ける、そういう緊張感も大事かなと述べられました。つまり、今回の制度というのは、遠くに行かないといけない、つまり近くに会場がない制度だというふうに大臣は思っていらっしゃるということでよろしいですね。
○萩生田国務大臣 その後の発言ももし用意してあるんだとすれば御指摘をいただきたいと思うんですが、私は、そうじゃなくて、いろいろ厳しい環境、それぞれ人によって異なるものがあるけれども、それに負けるなという思いで発した言葉でございます。その後に、まさに近くで、できるだけ近くで試験が受けられるような環境をつくっていきたい、財政的には負担を軽減していきたいということも申し上げておりますので、全体を通じて読んでいただければ御理解いただけるんじゃないかと思います。決してそれでいいと思っていません。
○畑野委員 頑張ってねと精神論で言われても困るわけですよね。さっきの議論のように、何万も、十万もかかる。自治体が補助を決めたって、それが幾ら出るかわからない。国が半額といったって、一体どれだけ出るかわからない。もうほとんど持ち出しじゃありませんか。だから、大臣がそう思っていることと、実際の試験制度が始まったらそんな甘いことではいかない、その受験生の苦しみ、思い、そこに心を寄せていない。 だから、こういう制度でも、何か小手先のことで、やりますというふうにおっしゃるけれども、さっきお認めになったように、まだまだ会場だって決まっていないところがこの十月三十日の段階でたくさんある。もう十一月からID登録が始まるわけですよ。学校で、どうしよう、そういうときに、そんな無責任なことでいいのかというふうに思います。 私は、だから、大臣はこの二つの問題を否定されませんでした。つまり、最初に身の丈とおっしゃったように、今回の民間英語入試制度というのは、家庭の経済力のあるなしで受験機会が左右される、まさに身の丈に合わせていかざるを得ないという、およそ公平な制度とは言えないというふうに思います。 私は、ですから、大臣が冒頭謝罪し撤回した、御自身の御発言を、身の丈の発言を撤回されたというのは、この身の丈のようなことに合わせなくちゃいけない制度そのものを撤回するべきだと思いますが、いかがですか。
○萩生田国務大臣 いずれにしましても、文部科学省としては、英語成績提供システムについて、高等学校、大学関係者の合意に基づいた方針によるものであり、受験生はその実施を念頭に既に準備を進めてきていることから、受験生等の不安や懸念を一つ一つ解消し、二〇二〇年度からの円滑な実施に向け、全力で取り組んでいきたいと考えています。
○畑野委員 関係者の合意とおっしゃいますけれども、本当にできているんですか。できていないからこういう事態になっているんじゃないですか。高校生は準備していると言うけれども、これから準備するときに、だからこれじゃ大変だと気がついて、今声を上げてくれているんじゃないですか。それを立ちどまらないということでは本当の謝罪、撤回にならないと、私は重ねて申し上げたいと思います。 なぜこうなっているかというと、民間試験の導入だからなんです。だって、業者の利益を上げなくちゃいけないわけですから、受験生の都合というのは後回しになっていくことはあるでしょう。国が、センターがやる試験というのは、いろいろな準備をして、この間ずっと積み重ねてきて、ちょっとしたミスがあったら大変な事態になってやってきた。それと違うわけですよ、今回のテストは。そういう構造的な欠陥があるということを申し上げておきたいと思います。 受験生から、前の年になっても全容がわからないテストを我々が受けるなんて怖過ぎますという声が出ております。また、入試改革ではなく入試改悪ですよね、文科省の都合で高校生、浪人生、全ての公平公正な入試を求める受験生が迷惑をこうむるのは我慢なりません、民間試験の導入はどう考えても間違っています、こういう声です。私は、重ねて延期、中止を求めたいと思います。 それで、私はあわせて、試験の公正性について幾つか大臣に伺いたいと思います。 この間、文科省といろいろとやりとりをさせていただいてまいりました。新しい民間英語試験の導入では、スピーキングテストが行われます。各試験団体の参加要件では、「採点の質を確保するための方策を公表していること。」ということしか求められておりません。 そこで伺いたいんですけれども、まず、採点者の採点基準の質を保証するために、文科省としては検証をどのように行っているのか。もし大臣が御存じであれば伺いたいと思います。
○萩生田国務大臣 各試験実施団体の実施する資格検定試験は、これまでも広く高校生の受験実績や大学入学者選抜に活用された実績があるものであります。一定の評価が定着しているものと考えます。 各種試験実施団体の採点に係る質の確保については、参加要件として、採点の質を確保するための方策を公表していることを求めており、団体ごとに、採点基準、採点者の応募資格、採点者の選出基準、採点者の質の向上策、採点体制を公表しています。例えば、採点者の応募資格としては、学士以上の学位を有する者や英語教育に関する経験を有すること、選出基準としては、採点者トレーニングを受けた後に採用テストに合格することなどが求められております。 各種実施団体においては、これらの取組を通じて採点の質を確保しており、文科省としては、引き続き、各試験実施団体に対して適切な対応を求めてまいりたいと思います。
○畑野委員 つまり、公表しているものを追認しているということですね。
○萩生田国務大臣 突然団体が組織されたのではなくて、今までも民間で試験を行ってきましたので、その公表されているものを信頼して、また確認をしてまいりたいと思っています。
○畑野委員 でも、コンピューターシステムを使うとか、そういう新たな制度が入ってきていますから、本当に大丈夫か、これで試験ができるのかというのもあるわけです。そういうのもきちっとチェックをされていないというふうに私は思います。大臣にも調べていただきたいと思いますけれども。 例えば、試験実施団体の中には、「英語力と採点力を見極める独自の筆記試験および面接等を課し、ベネッセが定める選定評価基準に合格できた者。」というのもあるんです。いろいろな学識経験者というふうに、大臣、いろいろおっしゃいましたけれども、そうでないところもあるんですね。 こういう応募資格を見たら、アルバイトとか海外の業者とかに委託するということは可能な制度なんでしょうか。
○萩生田国務大臣 公表している各基準にのっとって各団体の皆さんが採用するということであれば、採用形態についてはそういうことも否定はできないと思います。
○畑野委員 大変なことをお認めいただきました。こういうことが懸念されているわけです。つまり、各テストごとに、採点者の基準、質の保証もばらばら、それは自分で評価しますというのが前提です。その上、じゃ、海外の業者に委託する、あるいはアルバイトと。これで、ばらばらな試験の中で統一的にスピーキングの評価が公正公平にできるのかということが問題になってくる。大臣が認められたとおりだというふうに思います。結局、業者に丸投げなんですよ。大臣は大丈夫だろうと思うけれども、そういう事態が実際起こり得る、実際起きているというふうに思います。 じゃ、そのスピーキングの採点の基準について伺いたいと思います。 各団体、採点基準というのは共通したものになっていないと思うんですが、いかがですか。
○萩生田国務大臣 そのとおりでございます。
○畑野委員 そのとおりでございますというふうにお認めいただきました。 きょうは資料をつけさせていただきました。これは、スピーキングの採点基準の例を二社つけさせていただきました。 一枚目はGTECのものです。上の段が「語い・文法」で、零点、一点、二点、三点、四点とございます。一番高い四点のところの評価の基準、読み上げますと、「豊富で幅広い語いや文法を、柔軟に使用することができている。」などと書かれております。 次の資料は、スピーキング評価基準、これはIELTSのものです。一番左、「流暢さと一貫性」、段階評価九、ここでは、「繰り返しや言い直しをほぼすることなく流暢に話し、言いよどむ際は、言葉や文法を考えるというより、内容が理由の場合のみである。」こういうふうにあるわけであります。 何を言いたいかというと、非常に抽象的で、採点者の主観的な判断を求めるようなものになっているということです。これとて、それぞれが違うわけですね。 しかし、この採点者の主観的なといった場合に、先ほど言ったように、採点者の質の問題だってきちっと担保できているかどうかわからない。そういう人たちが主観に基づいて採点していくということですね。それが各社ごとにばらばら、テストごとにばらばらなんです。 そういう点では、公平な採点が果たしてできるのかというふうに私は思うんですが、大臣はいかがお考えになりますか。
○萩生田国務大臣 大学入学共通テストの枠組みで実施される英語の資格検定試験については、試験内容、実施体制等が入学者選抜に活用する上で必要な水準及び要件を満たしていることを大学入試センターが確認した試験を活用し、大学入学者選抜における英語四技能評価の導入を促進することとしております。 各資格検定試験については、今後センターが毎年度の実施状況を確認することとしており、万が一、参加要件を満たしていない可能性があると認められる場合には、一定の手続を経た上で当該試験の参加を取り消す場合があることとしており、各試験団体も、万全を期して試験の実施及び運営に当たるものと考えております。
○畑野委員 今までは、民間がそれぞれの責任でやっていたんです。ですけれども、今度共通テストに使うわけですから、いや、後で見たらいろいろ問題がありました、出ていってくださいといったって、それを受けてしまった人の被害というのは戻らないんですよね。だから、そういうことも、導入するのであればきちんとやるべきでしょうということを、この間、関係者の皆さんは一貫しておっしゃってきたわけです。今の御答弁では、そういうものは担保されないということがわかりました。 加えてもう一つ伺いたいのは、スピーキングテストでタブレットなどを使う場合があります。そのときに、機械のトラブルがあった、音声が取り出せないなどの問題があった、そういうときにはどのように対処するのか。方針を持っていらっしゃると思いますが、大臣が御存じであれば伺いたいと思います。
○萩生田国務大臣 器具のふぐあいなどによって受験ができなかった場合は全額補償し、また、試験のやり直しができる場合には行う、また、できない場合には、救済措置として、高校の校長先生などの評価を加えることで救済をしていくという方針でいます。
○畑野委員 ですから、例えば、先ほど最初の四月の試験という話がありましたけれども、今度は最終回。最終回でもしそういうことが起きたらどうするのかと思ったら、じゃ、最終回もだめかなとか、一体どこを受けようかとか、そういうことで、本当に、ただでさえストレスの多い受験生が、更に加えていろいろと思い悩む、精神的な、あるいは金銭的な負担が更に高まるというふうに思うわけです。 ですから、こういう、ちょっと私、スピーキングの問題も本当に入り口です、参考人質疑が決まりましたので、専門家の皆さんのお話も伺いたいと思います。大臣ももう既に聞かれているとは思いますけれども、ぜひ、本当に委員会の中でしっかりと議論をしていく、また、文科省でも、大臣が新しくなられたわけですから、これはしっかり見ていただきたい、責任を持ってそれは見直していただきたいというふうに思います。少し見ただけでも、本当に公正性があるとは言えない問題が出てまいります。 時間が短いので、次に進みます。 このように、費用の問題あるいは場所の問題、さらにはスピーキングというこのテストの採点問題、公平性あるいは公正性が保証されないこういう制度がではなぜ導入されたのか、私は本当に不思議でならなかったんです。どんな議論が専門家の皆さんの中で行われてきたのか。普通考えられないわけですね。 それで、いろいろと私も読ませていただきました、政府の出されたいろいろな検討会のもの。そうしましたら、わかったのは、共通テストにおいて民間英語試験を活用することが明記されたのは、二〇一七年七月十三日、文科省の大学入学共通テスト実施方針の中なんですね。 きょうは、その資料を三枚目につけさせていただきました。このグリーンの表の中でいうと、一番下ですね、高大接続改革の実施方針等の策定、二〇一七年七月十三日なんです。その上に、七つぐらいの、それぞれの議論の場が書かれているわけです。 しかし、一番下の大学入学共通テスト実施方針の中にある、「共通テストの枠組みにおいて、現に民間事業者等により広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用する。」というふうに決定することについては、例えば、二〇一三年、上から二段目の教育再生実行会議第四次提言でも、それからその下の中教審、二〇一四年でも、さらにその下の、二〇一六年、高大接続システム改革会議の最終報告でも、民間の資格検定試験を活用するという方針の決定はされていないんですね。 そうしますと、その間にあったのかなと思うんですけれども、大臣、どこで決定されたか、御存じでしょうか。
○萩生田国務大臣 検討・準備グループの中では、大学入学希望者学力評価テストの具体的な実施内容、方法等について検討を行ってまいりまして、会議を公開した場合、構成員の自由な意見交換が制約され、円滑な運営を妨げるおそれがあり、審議を公正円滑に実施する上で支障が生じることが考えられることから、大学入学者選抜等に係る非公開の情報をもとに検討を行う必要があり、第一回会議が開催された平成二十八年五月当初、非公開で行われ、その後、一定の議論がまとまったことにより、平成二十九年五月十六日に、英語の資格検定試験の活用方法も含め、検討の進捗状況を大学入学共通テスト実施方針として公表したことに伴い、その後は公開で開催することとし、二回の会議を経て、平成二十九年七月十三日に大学入学共通テスト実施方針を決定したと承知をしております。
○畑野委員 そこを知りたいんです。 高大接続システム改革会議の委員であられた南風原朝和氏は、その著作「検証 迷走する英語入試 スピーキング導入と民間委託」の中で、二〇一六年三月三十一日の高大接続システム改革会議の最終報告について述べられた後にこうおっしゃっているんです。この報告からは、民間試験の知見を活用しつつ、スピーキングテストについても、電子機器の整備やマークシート式問題とは別日程での実施などの工夫をして、自前で、つまり、民間に丸投げするのではなく、現在のセンター試験と同様の方式で実施する見通しを持っていたことがわかる、また、実施可能性の観点から、スピーキングテスト導入の時期がおくれる可能性が示唆されている点も、システム会議でこの案件が差し迫った議論にならなかったことと整合しているというふうに述べられています。そして、先生は、高大接続システム改革会議では、英語試験についてはほとんど話題になっていないというふうにおっしゃっているんですね。 だから、専門家の皆さんがそういう中身で進めていたときに、大臣がおっしゃった検討・準備グループで、非公開だけれども決まりましたと言われても、専門家の方たちが一生懸命やってきたことがこれだけ今問題になっているものにどう結びついたのか、検証できないわけなんです。 そこで、私が大臣に求めたいのは、この非公開という一回目から九回目、出ないんですよ。この間文科省にお願いしたら、出せませんと言うんです。何回もやりとりしているんです。これはぜひ大臣も調べていただいて、公開をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣 どういう約束でこの会議が行われていたか、ちょっとつまびらかに私も存じ上げませんので、先生の問題意識を受けとめて持ち帰りたいと思います。
○畑野委員 そのときに、その構成員のほかに協力を求めたり意見を求めた関係者がいるのかということも含めて明らかにしていただきたいと思います。いかがですか。
○萩生田国務大臣 一度引き取らせてください。
○畑野委員 そういう点では、中教審や高大接続システム改革会議と並行して行われていた、英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会というのがあるんですが、二〇一六年三月二十五日の会議で、大学入試センターの委員から、民間試験の高額な受験料をどう抑えるのかという問題も提起されていたんです。にもかかわらず、何の対策もとられないまま制度がスタートしている。 だから、一体誰がどのような議論でこの制度を決定したのか、そこが本当に今、責任が問われるんですよ。だって、これだけ問題が噴出しているんですから。そして、全国高校校長協会の皆さん始め、シンポジウムの話もありました。要望書もいただきました。本当に、公正性の問題を含めて、懸念を示されている。一度足をとめて、立ちどまって見直ししてほしい、延期してほしいというふうに言っているんですね。先ほど大臣が、現場の高校や大学の皆さんの声を聞いてできたと言うけれども、そうじゃないんですよ。 ですから、こういう制度は見直して、そして、延期法案を野党で出しておりますけれども、これはぜひ中止を私は求めたいと思います。重ねて申し上げますが、大臣、いかがですか。
○萩生田国務大臣 前段の高等学校の校長会からの要請は、ちょうど私が就任した十一日の前日、十日の日に出されたというふうに承知しています。 資格検定試験の認定に当たっては、高等学校学習指導要領との整合性を第一にするなど認定基準を明確にし、受験生や高等学校関係者が納得できるようなものにしていただきたいという中身の問題と、経済格差や地域間格差が生じないように配慮をお願いしたいという、要するに、システム上の知恵を出してくれ、また支援をしてくれということだというふうに承知しています。 先生のさまざまな問題意識は重く受けとめたいと思いますが、英語成績提供システムについては、高等学校、大学関係者の合意に基づいた方針であるものであり、受験生はその実施を念頭に既に準備を進めてきていることから、受験生等の不安や懸念を一つ一つ解消し、二〇二〇年度からの円滑な実施に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
○橘委員長 畑野君、時間は終わっております。
○畑野委員 はい。 受験生に身の丈を迫るような制度をやめることができないのならば、大臣は、身の丈のあの発言を本当に謝罪、撤回していない。であるならば、大臣の資格はない。おやめになる、その決断を求めて、私は質問を終わります。