【反対討論】
○畑野君枝君 私は、日本共産党を代表し、公立学校教員給与特別措置法改正案に断固反対の討論を行います。(拍手) 先日の委員会で、委員長職権で質疑を打ち切り、採決を強行したことに強く抗議します。 本法案は、教員の長時間労働の是正をいいながら、公立学校の教員に一年単位の変形労働時間制を導入し、残業代を支払うことなく、いわゆる繁忙期に一日八時間、週四十時間を超えて働かせることができるようにするものです。今でも深刻な長時間労働を一層助長するものにほかなりません。 今回の変形労働時間制は、八時間労働制の原則を崩す、労働条件の重大な変更です。にもかかわらず、一般の労働者にある時間外労働の歯どめがないことは、極めて重大です。 法案は、当事者である教員の意見を反映させる労使協定なしに、地方自治体の条例で導入できるとしています。条例で労働基準法上の原則を踏みにじることは断じて許されません。 また、給特法第三条の時間外勤務手当、休日勤務手当を支給しないという規定はそのままで、労働基準法第三十七条の割増し賃金の支払いを適用除外し、時間外労働を規制する手段を奪っています。 さらに、特別な事情がある場合の時間外勤務の上限である月百時間、年七百二十時間を超えた場合の使用者に対する罰則もありません。 政府は、指針で超過勤務を月四十五時間以内に制限するといいますが、罰則のない指針では、到底歯どめになりません。 政府は、夏休み期間中に休日をまとめどりするといいますが、夏休み中も教員には研修、補習、部活動指導等の業務があり、しかも、休日はまとめてとれさえすればいいものではありません。 一方、繁忙期とされる授業期間中の労働時間は確実に増加します。政府は、所定勤務時間を延長する時期を、学校行事等で多忙となり、教員の過労死事案が多いと言われる四月、六月、十月と答弁しました。まさに教員の過労死促進法案ではありませんか。 教員の長時間労働改善には、業務の抜本的縮減、教員の大幅増員とともに、四%の教職調整額の支給と引きかえに残業代を支給せず、際限のない長時間勤務の実態を引き起こしてきた給特法の抜本改正こそ必要です。 以上のことを申し上げ、討論を終わります。(拍手)