2017年4月2日(日)
衆院法務委員会は3月31日、司法修習生への基本給付金の一律支給などを盛り込んだ裁判所法改正案を全会一致で可決しました。全体の職員数を削減する裁判所職員定員法改定案は、日本共産党以外の賛成多数で可決。日本共産党の畑野君枝議員は採決に先立つ質疑で、裁判所の体制強化を求めました。
畑野氏は、認知症の人などの権利を保護する成年後見制度の利用促進委員会が「裁判所の人的・物的体制のさらなる充実強化」を求めていると指摘。この趣旨が、閣議決定された利用促進計画でも変わらないかとただし、内閣府は同じ趣旨だと答弁しました。
また畑野氏は、育児休業のための書記官、事務官、家庭裁判所調査官の代替要員確保に困難が生じていると指摘。中村慎最高裁総務局長は「東京地裁など大規模庁では職員1人分以上のマンパワーが欠けている。必要な部署にさらに配置していく」と答えました。
少年事件をめぐり畑野氏は、再非行に走る例など事件処理の複雑・困難さがあると紹介。家裁調査官の役割について村田斉志最高裁家庭局長は、少年事件が複雑・困難化し、面会交流に関する事件では子どもへの丁寧な対応が必要だと答弁。畑野氏は、事務量増加を挙げ家裁調査官の増員を求めました。
畑野氏は、速記官が供述書作成のために、自費で高額な電子タイプライターを購入しているとして、国による支給を要求。中村氏は「検討してみたい」と答弁しました。(「しんぶん赤旗」提供)