2017年3月3日
電機大手・日立製作所で、管理職の主任技師(50代、男性)に対し複数回にわたり退職強要が行われていた問題で、退職強要が中止され、「仕事外し」も解消されたことが2日までに分かりました。定年に伴う雇用延長で週1日~2日しか働けないといわれた別の男性も週5日間の勤務をかちとりました。2人とも電機・情報ユニオンに入り会社と交渉。日本共産党国会議員団が国会で取り上げ、退職強要の撤回を求めてきました。
日立は巨額の黒字をあげながら2015年、16年の2年間で6000人の人員削減計画を推進。主任技師の男性は、昨年8月から5回も面談が行われ、「あなたに与える仕事はない」と退職強要を受けました。雇用延長でもわずかな日数の仕事しかないといわれ、退職に追い込まれる人が出ていました。
日本共産党の田村智子議員が1月31日の参院予算委員会で追及し、安倍晋三首相は「自由な意思決定が妨げられる状況での退職勧奨は許されない」と答弁。畑野君枝議員は2月23日の衆院予算委員会分科会で、「やめるか1日でも働くか選択を迫られている」として、「生活が安定できるよう指導を行うべきだ」と質問。厚労省は労働者の合意が必要だと明言しました。
電機・情報ユニオンや日立リストラかながわ対策会議、神奈川労連は、日立との団体交渉や門前宣伝で撤回を求めてきました。
週5日の勤務を勝ち取った村田光裕さん(60)は「貴重で大きな成果です。働く仲間に知らせ、みんなの処遇も変えさせたい」。電機・情報ユニオンの米田徳治委員長は「リストラを撤回させ、労働者の希望にそった雇用延長を実現させたことは画期的です。労働者に広く知らせて、無法なリストラをやめさせたい」と話しています。
(「しんぶん赤旗」提供)