畑野氏に文科相答弁 衆院文科委
日本共産党の畑野君枝議員は2日の衆院文部科学委員会で、教育公務員特例法改定案は研修に対する国の管理統制を強化するものだとただしました。
畑野氏は、一般公務員とは違って教員には「研究と人格の修養が求められる」と文科省の藤原誠初等中等教育局長が答えたのを受けて、1977年の札幌高裁判決が「教員の研修は自由と自主性が尊重されなければならない」としたことを引き、国の押しつけを批判しました。松野博一文科相は「自由と自主性は尊重されなければならない」と認めました。
畑野氏は、教員の多忙化からも、上からの押しつけとなる行政研修の縮小が必要だと追及。藤原局長は、国際調査で日本の教員は86・4%が多忙で研修に参加できないと答えており、授業の準備時間が授業時間と同程度必要なのに、小学校の準備時間は1コマ14分、中学校で20分しかないと認めました。松野文科相は「教師の多忙感は問題。改善に向け定数改善要求している」と答えました。
畑野氏は、初任者研修について「研修のためクラスを離れるのはきつい」との声があることを紹介し、補充の教員が配置されず自習になっている実態を示し、是正を要求。松野文科相は「子どもたちの学習に支障が出るのは本末転倒」だと答えました。
藤原局長は、初任者が過去13年間で1・5倍化したのに対し、指導教員は15年間3459人のままだと答弁。畑野氏は「35人学級のさらなる推進、教員定数の増員はじめ条件整備こそ文科省は行うべきだ。教員の自由と自主性の尊重を阻害するような研修への行政の関与・介入を強める法案はやめるべきだ」と求めました。
( しんぶん赤旗2016年11月7日(月)付け 4面に掲載 )