外国人技能実習法案 衆院委で可決   畑野氏が反対討論

質問する畑野君枝議員=21日、衆院法務委

質問する畑野君枝議員=21日、衆院法務委

 外国人技能実習法案が21日の衆院法務委員会で、自民、民進、公明の賛成多数で可決されました。日本共産党の畑野君枝議員は「外国人技能実習制度を適正化するとしているが、制度の持つ構造的矛盾をなんら解決するものではない」として反対しました。

 畑野氏は、▽人権侵害の根源である支配従属関係にメスを入れない▽実習先選択の自由がない▽悪質なブローカーや法外な保証金を排除するための2国間取り決めの規定がない▽入管法改定で「介護」の在留資格を新設し、介護分野にも技能実習制度を拡大▽入管法の難民申請のあいまいな規定によって、外国人や支援者に対し人権侵害が拡大する恐れがある―と指摘しました。

 畑野氏は反対討論で、「技能実習生は例外的な場合を除いて職場移転の自由がない。構造的な問題はそのまま。労働者として保護するというなら、実習先選択の自由を保障すべきだ」と求めました。

 また「介護」分野へ技能実習制度を拡大することに対し、畑野氏は「実習生の日本語でのコミュニケーション能力だけでなく、介護サービスの質の低下や新たなトラブル発生の懸念がある」と批判しました。

 自民、民進、公明各党提出の修正案に対しては、実習生の待遇の内容として報酬や労働時間、休日、休暇などを明記することや、日本人と同等以上の報酬額などを定めたため、実習生の待遇改善に資するとして賛成しました。

10月22日付 しんぶん赤旗2面に掲載  写真はしんぶん赤旗提供