無期雇用に転換を 参院議員会館で緊急集会
東北大学の非常勤職員の雇い止め撤回をもとめて集まった大学関係者たち=11日、参院議員会館
東北大学で非常勤職員3200人以上が雇い止めの危機にある問題で11日、大学関係者の労働組合が、希望者全員を無期雇用に転換するよう求める緊急集会を、参院議員会館で開きました。集会名は、「改正労働契約法の趣旨に反した国立大学での『5年雇い止め』を許さない ストッブ!東北大学3200名と全国の有期雇用職員雇い止め」です。
正規・非正規の枠を超え、東北非正規教職員組合、首都圏大学非常勤講師組合、全国大学高専教職員組合(全大教)が主催しました。
改正労働契約法18条で、有期雇用で5年雇用継続すれば希望者は無期雇用に転換できます。ところが、東北大学は、非常勤職員の更新上限を5年と定め、無期雇用に転換するには高いハードルを課しています。
基調報告した全大教の長山泰秀書記長は、国の人減らし政策や法人化後の運営費交付金削減のため、国立大学で非常勤職員が拡大したことを指摘。「安心して働き、国民のための教育研究ができる大学をつくるため、一緒に頑張る」と強調しました。
東北非正規教職員組合の佐藤完治事務局員は、「無期転換をすれば、東北大学自身が、人材を確保できて利益を得る」と訴えました。
東北大出身の中村和雄弁護士は、「労契法17条によって、有期雇用で5年継続する以前から、やむ得ない理由がなければ雇い止めにできない」と指摘しました。
大阪大学、神戸大学、河合塾、理化学研究所などの労働組合代表が、教育・研究の現場に広がる非正規雇用の解雇・雇い止め問題を報告しました。
全労連の野村幸裕副議長が連帯あいさつしました。日本共産党の畑野君枝、大平喜信両衆院議員、吉良よし子、岩渕友両参院議員、社民党の吉川元衆院議員、福島瑞穂参院議員があいさつしました。
10月12日(水)付 しんぶん赤旗5面に掲載