女性の再婚禁止期間を100日に短縮する民法改正案は、3年後に再婚禁止制度を検討するという修正が行われ、20日の衆院法務委員会で全会一致で可決されました。
再婚禁止期間短縮だけの政府案に対し、野党4党は選択的夫婦別姓導入や再婚禁止期間廃止の検討などを盛り込んだ案を提出しました。それに押された修正です。
採決に先立つ質問で日本共産党の畑野君枝議員は、再婚禁止期間の短縮は当然だが、廃止しないことに合理性はあるのかただしました。
岩城光英法相は、離婚後300日以内に生まれた子は婚姻中に妊娠したとするなどの“嫡出推定”について、「父子関係をめぐる紛争を未然に防止する」と釈明。これに対し畑野氏は、「嫡出推定は、血液型の発見などもない明治時代の知見に基づくもので、現在ではDNA鑑定で容易に父を確定できる」と指摘。“嫡出推定”を避けるため無戸籍を選ぶ人が法務省の調査で7割もいると述べ、「嫡出推定が無戸籍の子どもを生み出している」と批判しました。
法務省の小川秀樹民事局長は、「医師の証明があれば推定は及ばず、現在の夫の子とされる」と表明。再婚禁止期間を続ける合理性がないことが浮き彫りになりました。
畑野氏は、ドイツやフランスでは再婚禁止期間を廃止し、国連の女性差別撤廃委員会が繰り返し日本政府に廃止を勧告していることを指摘し、「女性の結婚の自由を侵害する再婚禁止期間の廃止を検討すべきだ」と求めました。岩城法相は、「運用状況をみながら、検討していきたい」と述べました。
畑野氏は、選択的夫婦別姓についても、国連から勧告を受けてきたことにも触れて導入を主張。岩城法相は「慎重に対応を検討していきたい」と述べるにとどまりました。
2016年5月22日(日)しんぶん赤旗