畑野氏「船主賠償限度超も」
日本共産党の畑野君枝議員は1日の衆院法務委員会で、船舶事故の際に船主が支払う損害賠償の限度額を引き上げる船主責任制限法改正案について、被害者保護をよりいっそう拡充すべきだと主張しました。
同法の改正は、2008年の明石海峡船舶多重衝突事故などを受け、国際海事機関(IMO)で船主の責任限度額を1・51倍に引き上げたことにともなうものです。
1996年に決められた責任制限額を超える事故は7件あり、それぞれ責任制限額の2~40倍の被害がありました。明石海峡の事故では、漁業関係の被害額は約40億円でしたが、事故に関わったすべての船主の責任限度額は総額約6億円でした。畑野氏は「今回の条約改正、法改正をしても、燃料油流出などによって、限度額を超えることがありうる」と指摘しました。
畑野氏は、昨年3月の三浦沖の船舶衝突事故による重油流出によって漁業が大打撃を受けていると強調し、「被害者保護を拡充すべきだ」と提起しました。上川陽子法務相は「被害に対してはしっかり救済できるよう、さらに進めたい」と答えました。
2015年4月3日(金)付け「しんぶん赤旗」より