横須賀市で2006年1月、米空母乗組員に妻の佐藤好重さんを殺され、裁判(最高裁に上告中)で国に損害賠償などを求めている山崎正則さんは3日、支援者らと共に事件現場等を訪れました。

国民救援会支部が企画

視察は裁判を支援している日本国民救援会横須賀支部が、米軍と国の責任を明確にさせるために企画しました。約30人が参加し、裁判勝利を誓いあいました。

参加者は、▼好重さんが殺害されたビルのほか、▼米軍属が06年11月、中川勝美さんに暴行(後に病院で死亡)した店の前▼脱走兵が08年3月、タクシー運転手の高橋正昭さんをタクシー車内で刺殺した現場―などを歩いて回りました。

2月3日現場視察

山崎さんの事件は、06年1月3日早朝に発生しました。好重さんを殺害した米兵は、前日夜からバーで飲酒していました。出勤途中に襲われた好重さんは、約10分間にわたって殴る、踏みつける等の暴行を受け、お金を奪われました。

事件現場に立った山崎さんは「防犯カメラに残されていた『助けて』などの好重の声が、刑事事件の法廷で流された時、私は泣きました」と語りました。

視察後の報告会では、原告弁護団の中村晋輔弁護士が裁判の経過を説明しました。

中村弁護士は、国の責任を認めず、山崎さんの控訴を棄却した東京高裁判決の不当性(12年6月)について、米海軍上司等の監督権限に関する判断を一審よりも後退させたと指摘。「日本国民の生命、身体よりも日米同盟や外交を重視した判決だ」と批判しました。