米兵による「強姦(ごうかん)」事件の検挙件数・人数ともに、約4分の3が沖縄・神奈川両県で発生していることが、警察庁が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料で判明しました。(25日付赤旗より転載)
同庁警備局捜査1課が作成した資料によると、1989年から2011年までの23年間で、米兵による「強姦」の検挙件数は全国で55件(67人)となっています。
このうち沖縄県で半数を超える29件(33人)、神奈川県で12件(18人)となっています。佐世保基地を抱える長崎県がこれに次いで6件(8人)となっています。
ただ、これらは警察による検挙件数であり、発生件数はこれを上回ります。また、被害者が泣き寝入りしている事件はさらに多いとみられます。
沖縄県では16日未明、帰宅途中の女性が出張中の米海軍兵2人に暴行される事件が発生。沖縄で1972年から今年9月までの「強姦」の検挙件数は127件(144人)にのぼります。
神奈川県綾瀬市でも7月21日、やはり海軍兵による女性暴行事件が発生しました。
沖縄県は全国の米軍基地の74%が集中し、沖縄本島では面積の約18%を米軍基地が占めています。米原子力空母の母港・横須賀基地をはじめ、神奈川県は沖縄県に次いで多い米軍専用基地を抱えており、「第2の基地県」と呼ばれます。まさに、「基地あるがゆえ」といえます。
加えて、沖縄・神奈川・長崎では短期駐留の独身兵が多い海軍・海兵隊が多数を占め、兵士への教育の徹底がきわめて困難という側面もあります。
これらの事実は、「綱紀粛正」では性的暴行事件の根絶は不可能であり、基地をなくさない限り、事件はなくならないことを示しています。