電機産業で働く労働者とOBでつくる電機労働者懇談会(電機懇)の第25回総会が15日、静岡県熱海市で始まりました。電機懇の調査によると、電機産業では昨年以降、大企業を中心に13万2000人の大リストラが進行中。退職強要の面談などリストラの実態が各職場から告発され、たたかいを大きく広げようと交流しました。(9月16日付赤旗より転載)
(写真)電機懇総会であいさつする今井代表=15日、静岡県熱海市
「自己選択とは名ばかりだ」。NECの社員は希望退職募集の実態を批判し、10回もの脅迫まがいの面談や、出産やメンタル疾患で休職中の社員まで退職強要された実態を告発しました。リストラが計画通りにすすんでいると発表される一方、「現場では『リストラはまだ道半ば。これからもやる』と部長は言っている」とも報告しました。
大手半導体メーカー、ルネサスの代表は、従業員の3割にあたる1万4000人削減、全国に18ある工場を半数に減らす計画を「地域経済を破壊する」と批判。18日に始まる希望退職募集に対し、「退職強要を許さない相談活動を強めたい」とのべました。
11月に2000人規模の希望退職者を募るシャープの現場では、通常の業績評価個人面談の際に、退職条件への感想が聞かれているとの報告も。代表は「今後、退職強要にすすみかねない。労働者を激励していく」と語りました。
リストラの口実に使われる経営赤字について、パナソニックの代表は「本業は黒字なのに、リストラ費用などが計上され、偽装の赤字だ」と指摘。門前のビラ配布を通じて、昨年のリストラでは多くの労働者が辞めなかった職場の変化を紹介しました。
活動方針案は昨年9月に結成された電機・情報ユニオンと共同し、リストラ・退職強要とのたたかいを強調。非正規労働者と連帯し、正規雇用を求めていくとしています。
今井節生代表はあいさつで、今回の大リストラを「経営側の無責任、やりたい放題ぶりが浮き彫りになっている」と指摘。労働者の生活と権利を守るため、引き続く奮闘を呼びかけました。