原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)の母港・米海軍横須賀基地で2010~11年に発生した油漏れなどの事故5件について、神奈川県横須賀市が国や米軍から通報があったにもかかわらず広報せず、うち4件については基地にたいして要請もしていなかったことが、27日わかりました。

 市民団体「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」が行った情報開示請求で明らかになったものです。

 同会共同代表の呉東正彦弁護士らは同日、「小さな事故の積み重ねが重大事故につながる」として、吉田雄人市長あてに対応の改善を要請しました。

 要請後の会見で呉東弁護士は、1997~2012年(7月)の間、同基地内や周辺海域での「油漏れ」の事故は、06~08年度を除く毎年度1~4件と頻繁に発生していると説明。しかし、市の対応が文書から口頭対応になり、吉田市長になった09年度からは「その他対応」とされていたと話し、「基地問題に対する市の姿勢の後退ではないか」と指摘。通報された事故について▽市民や報道機関にもれなく広報する▽文書での要請をする▽市長決裁として責任の所在を明らかにする―ことを求めました。

厳しく追及

 日本共産党横須賀市議団の井坂新哉団長の話 公表されていなかった事故は、議会にも知らされておらず、市民を守る立場である市の対応に対して懸念を指摘されて当然です。

 今回の原子力空母の事故では「油を含んだ液体約25ガロン(94・6リットル)が漏れている」「放射能等一切含んでいないことを確認した」と記録されていますが、どのような液体でなぜ漏れたのかは不明です。

 9月からの議会で、市議団としてこの問題を厳しく追及し、改善を求めていきます。