リニァ中央新幹線の沿線住民に対する説明会が21日、神奈川県相模原市で開かれ、約380人が参加しました。建設主体のJR東海と建設促進県期成同盟会(県、県内全市町村、県商工会議所連合会、県商工会連合会で構成)の共催。沿線住民への説明会は、山梨、岐阜、長野に続いて4県目です。出席した住民からは安全性や必要性等について質問が続出し、時間内に質問できない人が多数残りました。
説明会ではJR東海は、リニァ新幹線について「大規模災害への備えとして東海道新幹線との二重系化が必要だ」「神奈川県と三大都市圏のアクセスが大幅に向上する」などと説明。「消費電力は十分小さい」「リニァは地震に強いシステムだ」などと従来通りの説明に終始しました。
住民からは「9兆円もの建設費をJR東海は負担できるのか。破たんしたら国民にツケを回すつもりか」「そもそもリニァ新幹線は必要なのか。真剣な検討はしたのか」「リニァよりも在来線をもっと効率的に運用できるようにしてほしい」などの意見・質問が出されました。安全性について「計画路線の真上に住んでいる。人体への電磁波の影響が非常に心配だ」などの不安も出されました。
市民団体「リニァ新幹線を考える相模原連絡会」事務局長の中野渡旬さんは「JR東海の経営面や安全性等についての説明も回答も、全く通り一遍のもので、よりいっそう疑問は深まりました。JR東海や県、市は市民への説明会をもっと開いていくべきです」と話しています。