電機や情報サービス産業で働く労働者が個人で加入する産業別労働組合「電機・情報ユニオン」は7月27日、厚生労働省に対し、NECで行われている退職強要の是正を求めました。日本共産党の田村智子参院議員、宗形泰夫神奈川県委員会労働組合部副部長が同席しました。
電気・情報ユニオンの橋場伸一氏は、労働者が退職しないと明確に表明しても、会社側は「業務命令」だとして2カ月で10回以上の面談を繰り返し、うつ病になったなど数十人から相談があったと告発。繰り返される面談について、同社側が退職強要にあたらないと当局に確認していると述べていることを明らかにしました。
田村氏は、繰り返される面談は違法な人権侵害であり、ただちに指導・啓発を行うべきだと要求。当局の“お墨付き”をもらったと発言しているのは問題であり、「厚労省として調査すべきだ」と求めました。
これに対し、厚労省の担当者は多数回、長期にわたる退職勧奨(面談等)は不法行為になるとした最高裁判例などを事業者や労働者に周知していると説明。当局の“お墨付き”などについて事実を確認するとともに、どのような対応ができるか検討すると答えました。
NECは国内で正社員2000人、非正規雇用5000人、海外で3000人の計1万人を削減する方針で、7月末までに早期退職を募集し、9月末退職させる計画です。

退職強要の実態
NECの電機懇が開設する「リストラ実態掲示板」の投稿(6月現在)を紹介します。
◎ 6回目の面談が終わりました。「残ろうなんて、ぜったい考えるな」と毎回言われます。(早期退職の)公募を受けようとすると「ダメダメダメ! そんな権利あると思っているの?」と言われました。「そんなに詰められても、何もお話はありませんので時間をください」と言っても、「考えなくてもいいから」と言われました。もう、死にたいです。今、座席で手を切ろうかなって考えます。
◎ 妻に、リストラ対象の可能性があることを正直に話しました。不安にさせない為にも一人で抱えようと思いましたが耐えられませんでした。妻からあたたかい言葉を言われ、一人になったときに泣けてきました。家族を守るために、何を言われても辞めてはいけない、と決心が強くなりました。