米軍が垂直離着陸輸送機МV22オスプレイの派遣先として米海軍厚木基地もありえるとしている問題で、神奈川県の「爆音をなくし、米空母の母港に反対する厚木基地周辺住民の会」は25日、防衛省を訪れ、オスプレイの配備をやめるよう求めました。
同会の上野格、河野幸司両代表委員、宮応勝幸事務局長(党衆院13区予定者)、同党の松本春男綾瀬市議、佐々木弘海海老名市議、土屋敏則藤沢市議らが参加。志位和夫委員長の秘書が同席しました。
防衛省担当者はオスプレイについて「運用上の必要性に応じて国内の米軍施設・区域を使用する事が排除されていないので、厚木基地に飛来する可能性は今の時点で、否定できない」と答えました。
参加者はオスプレイ配備に向けた「環境レビュー」の地図にはオスプレイの訓練が計画されている岩国基地とキャンプ富士のほかに厚木基地が表示されていると指摘。「厚木基地が特別な位置付けになっているのではないか」とただしました。
防衛省の担当者は後日、回答すると約束しました。
河野氏は「私たちは日頃から米軍機の爆音に悩まされている。オスプレイが厚木基地に来る事は許されない」と重ねて訴えました。
この問題では日本共産党の塩川衆議院議員が質問していますのでその「赤旗」記事を下記に掲載します。
オスプレイ 三沢・横田・厚木も使用
衆院委で塩川氏 配備中止 米に求めよ
日本共産党の塩川鉄也議員は24日の衆院総務委員会で、米軍岩国基地(山口県)への陸揚げが強行された垂直離着陸機MV22オスプレイによる低空飛行訓練が全国7ルートで計画されている問題を取り上げ、「オスプレイの配備と低空飛行訓練の中止をアメリカに求めよ」と迫りました。
塩川氏は、米軍の報告書が、岩国基地やキャンプ富士(静岡県)に加え、「他の米軍施設に飛行することもあり得る」としていることを挙げ、「三沢、横田、厚木基地が含まれるのか」と追及。防衛省の神風英男政務官は「そういう理解でいい」と認めました。
また、防衛省は、山口、広島など30都府県と青森・三沢市、東京・福生市など18市町に情報提供したことを明らかにしました。
塩川氏が米軍の低空飛行訓練ルートの存在をただしたのに対し、神風氏は「6本の訓練ルートの正確な位置を認識したのは今回が初めてだ」と明言。中国地方に存在が指摘されるブラウンルートについては「米軍の運用にかかわる事項により承知していない」と述べました。
訓練ルートの詳細も「米軍の運用にかかわるもので答弁できない」(神風氏)との態度に終始しました。
塩川氏は、山形県の吉村美栄子知事が「県の防災ヘリ飛行に整合性が取れるのか」との懸念を表明していることを紹介。「米側の訓練ルートについて何も分からなければ、心配の声があがるのは当然だ」と追及しました。
外務省の中野譲政務官が「今後しっかりと説明責任を米側に求めたい」と答えたのに対し、塩川氏は「必要なことさえ確認せずどうやって説明責任を果たせるのか」と批判。「オスプレイ配備について米側にノーと言うべきだ」と求めました。