2月27日、第9回神奈川七沢・多喜二祭が、伊勢原市内で開かれました。私もあいさつをしました。
2月24日夜のNHK番組「歴史秘話・ヒストリア」で小林多喜二がとりあげられましたが、後半に出てくる神奈川の宿が七沢温泉・福元館です。番組に出られた女将さんが、27日の多喜二祭に来てくださいました。多喜二の作品『オルグ』の執筆活動を支えた旅館だったことが、近年になって発掘され、七沢温泉の近くで多喜二祭が開かれるようになったのです。
相原進さんが主催者あいさつのなかで、多喜二が逗留した「離れ」の修復・保存のため、募金にとりくんできたことを報告しました。
また、作家の田島一さんが記念講演のなかで、多喜二の作品にふれ、自身がいま派遣切り問題で小説を執筆していることを紹介しました。多喜二と同時代の川柳作家を描いた映画『鶴彬(つるあきら)こころの軌跡』も上映されました。
「バラバラにされた労働者のつながりをとりもどすために、何ができるか」と考え、『蟹工船』を書く決意をした多喜二。会場に展示された彼のデスマスクが、現代の私たちに「何ができるか」と問いかけているように思えました。