1月に入り、神奈川県内で米兵犯罪が多発しています。横須賀市の米海軍横須賀基地に原子力空母GWが昨年11月20日に入港して2ヶ月あまり。1月4日~21日の18日間で、飲酒した米兵4人が6件もの事件を起こし逮捕される事態に、県民の不安や怒りが広がっています。

市民「すごく怖い」「基地なくなって」

同月25日、同基地最寄りの京急線横須賀中央駅前で、平和・民主団体と日本共産党が、GWの横須賀母港化をやめるよう求める署名宣伝に取り組みました。署名した大沢広美さんは「すごく怖い。女性殺害事件から、夜に出歩かなくなりました」と話しました。

大半が空母乗組員

県内の事件は、米軍が、昨年10月の沖縄県での性的暴行致傷事件を受けて、米兵の飲酒・外出を規制する中でおきました。4件が横須賀市、2件が横浜市での犯行で、強制わいせつ罪など女性にからむ事件は4件。4容疑者のうち3人はGW乗組員でした。飲酒・外出規制の実効性が、厳しく問われています。

22歳の主婦は「米兵と思われる外国人に声をかけられる事があります。無視をしきれない時もあるので怖いです。基地はなくなって欲しい」と、署名に応じながら話しました。

「規制だけでは米兵犯罪はなくせない」。県平和委員会の鈴木和弘事務局長は強調します。

GW乗組員は、半年間もの「作戦」で、6000人が共に生活し航海するため、極度のストレスにさらされます。鈴木さんは、「ストレスを耐えて入港したのに、今度は飲酒や外出が規制される。さらなるストレスを生むだけで、犯罪は抑制されません。米兵にとって一番のストレス解消は、母国・アメリカに帰る事ではないでしょうか」と指摘します。

規制に実効性なし

日本共産党の、はたの君枝参院神奈川選挙区予定者と横須賀市議団は1月23日、横須賀基地を訪れ、相次ぐ犯罪に抗議。米兵に対する監督責任を果たすよう求めました。30日には、田村智子参議院議員とともに、国にも再発防止策の強化などを要請しました。

要請で、はたの氏らは、規則違反をした米兵や逮捕された米兵への罰則の内容を質問しました。しかし、外務省と防衛省の担当者は、確認・把握していないと述べるだけでした。

はたの氏は「米軍の規則に実効性がないことは明らかです。日本政府は、まずは米側に実効性ある再発防止策を取らせ、具体的な罰則の実施と、処分内容の公開を求めるべきです。『米国言いなり』をあらため、国民を守る立場に立ち、米軍基地撤去と日米安保廃棄をめざすべきです」と強調しています。